■星野リゾート 界 アルプス(後篇)

 日本の地方の魅力を掘り起こし、プロデュースすることで日本の観光に一石を投じてきた星野リゾート。その各施設を訪れ、地方らしい遊び方、旅の仕方を再発見していこうというシリーズが「日本を遊ぼう!」です。

前篇に引き続き、「星野リゾート 界 アルプス」を紹介する後篇では、信濃大町まで足を延ばし、この地ならではの体験を楽しみます。

囲炉裏の火を見ながら一献傾ける

左:この酒器がちろり。
右:火を囲んでの一杯は格別。居心地がよくてついつい長居する。

 北アルプスに囲まれた大町温泉郷にある「星野リゾート 界 アルプス」。春でもひんやりとする夜に囲炉裏を囲んでのひと時は、地域の文化を体験する“ご当地楽”。

 パチパチとはじける火を見ながら、ちろりという酒器で温められる燗酒をいただくと、身体に沁み入るおいしさだ。

左:かまどから立つごはんの香りもいい。
右:このおかゆは、まさに贅沢な田舎体験だ。

 翌朝は、朝6時から7時まで、かまどでおかゆが炊かれる。ごはんともち麦を温泉のお湯で炊いたおかゆに、きなこか醤油、あるいはみりんと出汁で作った「べっこうあん」をかけて食べる。朝ごはんの前のおめざの一杯というわけだ。

りんごのご当地ジュースから始まって、朝から何品ものおかずが並ぶ。

 朝にもうひと風呂、温泉を楽しんだら、朝ごはん。地方の食材を使った小鉢、この日は五目豆と塩丸いかとお豆腐の野沢菜納豆かけ。味噌汁は鉄鍋仕立てで出される。

手漉きの松崎和紙を使ったあかりとりには、いろいろな色の木の葉が漉き込まれている。

 「界 アルプス」は、冬場のゲストは約3割が白馬エリアでのスキー客になるため、乾燥室も設けられている。車で20分ほどの立山黒部アルペンルートは、春になれば雪の壁の雄大な風景を楽しむことができ、夏になればトレッキングや登山をする客で賑わう。

 今回は、信濃大町駅方面に向かい、部屋をあたたかい光で照らすあかりとりや行灯に使われていた松崎和紙の手漉き体験に挑むことにした。

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2018.04.22(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵