■星のや竹富島(後篇)

 日本の地方の魅力を掘り起こし、プロデュースすることで日本の観光に一石を投じてきた星野リゾート。その各施設を訪れ、地方らしい遊び方、旅の仕方を再発見していこうというシリーズが「日本を遊ぼう!」。

 今回は、前回に引き続き、「星のや竹富島」の後篇。島をあげてのお祭り「種子取祭(タナドゥイ)」を控えた竹富島の集落を訪れ、伝統のミンサー織り体験などを楽しみます。

特別な朝食の後は
水牛車に揺られて

竹富島のミンサー織り。島で手織りの伝統を守る「竹富民芸館」で体験できる。

 竹富島の集落に住まうような感覚が満喫できる「星のや竹富島」。いつもより早起きしていただくダイニングでの朝食は、“琉球朝食”や“ゆし豆腐粥朝食”など4種類から選ぶ。

見た目も美しい琉球朝食(3,500円)。祭りには欠かせないピンダコ(重箱の左下)などの入る種子取祭バージョン。

 “琉球朝食”は、沖縄の重箱料理(御三味)が彩り豊かに9種類も並ぶ。

 竹富島最大のお祭り種子取祭を控えて、この催しには欠かすことのできないピンダコというニンニクと島ダコの和え物(生命力の強いニンニクと広がる足が繁栄を意味するタコの組み合わせ)、子孫繁栄をもたらすめでたい食材である田芋の煮物、龍の頭に形が似ている飛龍頭(ひろうす)など特別な品目も加わって、豪華な朝食だ。

昼は“水牛車銀座”と呼ばれるほど混み合う集落の通りを、朝の時間帯にゆったりと楽しめる「星のや竹富島」の水牛車散歩。

 朝食を終えたら「星のや竹富島」のゲスト専用の朝の水牛車散歩のため、集落に向かう。水牛が引く車に揺られながら、昔ながらの集落の家並みを行く。

 途中、三線を取り出したガイドさんが竹富島の古謡「安里屋ユンタ」を聞かせてくれる。外から来た権力のある役人に迫られても、自らの愛を貫く絶世の美女クヤマの物語だ。そして、ガイドさんがご近所についていろいろと解説をしてくれる。人口360人ほどの島は、全体が家族同様のようで、水牛車での散歩は、ほっこりした気分になる。開催される時間帯は8:00~9:20(1,500円/要予約)。

 この水牛車の発着場である集落の広場の突き当たりに、神殿が立ち、種子取祭の奉納芸能の舞台になる世持御嶽(ユームチオン)がある。農業の島だった竹富島において、豊作を祈る種子取祭は最大のお祭り。2日間にわたってそれぞれの村が神様にお祈りの踊りや狂言を捧げる奉納芸能はそのメインイベントで、2017年は10月30日(月)・31日(火)にこの世持御嶽で開かれる。

種子取祭の際には、聖なる場所である世持御嶽の前で奉納芸能が繰り広げられる。

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2017.10.22(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵