七色の樹皮を持つレインボーツリー
ポンペイ島はでこぼこと入り組んだ海岸線をもつ、直径ほぼ24キロの島です。これはミクロネシア連邦最大。ミクロネシア地域としては、グアム島、パラオのバベルダオブ島に次ぐ3番目の大きさがあります。
島の中央に標高791メートルの高峰がそびえ、その周囲にも500メートル越えの山々が立ち上がった地形。この山並みに湿度たっぷりの雲がぶつかり、大量の雨を降らせます。
年間の降水日は、約300日。と聞くと、ジトジトした島では? と思うかもしれませんが、雨はザッと降ってパッと止むスコール程度。そしてこの雨こそが、ポンペイ島の美しさを引き立てるのです。
雨上がりは、しっとりとした空気の中、緑はつやつやと光り、熱帯の花々は発色が豊かに。七色の樹皮をもつ木の幹の色も、より鮮やかに見えます。植物が精気に溢れているのです。そのせいか、ポンペイ島は “太平洋の花畑”との別名ももっています。
豊かな水は40本あまりの川や、ケプロイの滝(オオウナギが生息)など、水量たっぷりの名瀑も生み出しています。そして、空を見上げれば、大きな虹が! 運が良ければ、ダブルレインボーを見られるかも。
ポンペイ島の内陸部はそんな鬱蒼としたジャングルが占め、周囲はマングローブの密林でぐるりと覆われています。
2017.07.29(土)
文=古関千恵子