街の息遣いを肌で感じて!
世界遺産を歩いて堪能

 グアナファト散策のはじまりは、街の中心にあるバシリカ教会前のラ・パス広場から。通りには小さなショップがいくつも立ち並び、パラソルの下で新聞を読んだり、コーヒーを飲んだりしながらひと息つく地元の人々の姿も。

イエローカラーとドームが特徴的なバシリカ教会。街のどこからでも眺めることができるので、迷ったときにはこれを目印に!

 標高約2000メートルの高地にあるグアナファトには、坂道がたくさん。急いで歩くと息切れしてしまうので、自分のペースでゆっくりと進みたい。

 ゴツゴツとした石畳の傾斜を登っていくと、美しい白亜の「グアナファト大学」が。1732年にイエズス会が子供のための学校として創設したラテンアメリカ最古の学びの場で、現在は総合大学として約2万8000人の学生が在籍している。日本人留学生も多いという。

グアナファト大学の日常風景。長い階段に腰かけ、楽しげにおしゃべりをする学生たちも。

 メキシコ屈指の華麗な劇場として、街のランドマーク的な存在となっている「フアレス劇場」では、ギリシャ神話にちなんだ8体の女神像が、建物の上から見下ろすようにして来場者をお出迎え。グアナファトで開催される重要な文化イベントをはじめ、クラシック、オペラ、演劇などのさまざまな芸術公演が行われている。

劇場前には、グアナファト名物である学生の音楽隊「エストゥディアンティーナ」の銅像が。週末の夜(8時頃)にここに来れば、賑やかに演奏ツアーが出発する様子を見ることができるはずだ。
劇場の通りには、「地下水路」「カラフルな街並み」「ピピラ記念像」とグアナファト名物を一度に眺めることができる穴場スポットも。ぜひ探してみて!

 フアレス劇場裏からケーブルカーに乗り込み、「ピピラ記念像」のある高台へ。全長102メートル、高さ76メートルを、傾斜42度で登り行く車窓から眺める景観は、ダイナミックで息をのむ美しさ。レトロで愛らしいグアナファトの街並みを、ぐんと身近に感じられる格別の体験が叶う。

ケーブルカーからの眺め。バシリカ教会、グアナファト大学、アロンディガの穀物倉庫……。街のシンボルを丸ごと見下ろす、「グアナファトビュー」の絶景スポットだ。
ケーブルカーの終着地には、独立戦争の英雄、ピピラの記念像が。辺りは広場になっていて、旅行者やカップルが街並みとともに記念撮影を楽しんでいる。

2017.07.08(土)
文・撮影=中山理佐