寒い冬に食べたい焼き芋。ほくほく、焼きたてをおやつに食べれば、おなかも心もあったまりそう。大阪・中崎町で、今までにない焼き芋屋さんを見つけました。

左:お店のテーマカラーは「焼き芋色」。
右:店内にはイートインスペースもあります。
ほくほくの焼き芋。取材日は3種類の芋を販売していました。
小さな子どもも大好きな焼き芋。

 地下鉄谷町線の中崎町駅から「おいでやす通り」に入ってすぐ。焼き芋を抱いたおじさんのイラストが描かれた、黄色い壁のお店が「蜜香屋(みっこうや)」。テイクアウト用の窓口で焼き芋を買い、お店の前に置かれた椅子に座って、さっそくかぶりついている人もいます。

左:焼く前にお芋のヘタを切ります。
右:オーブンでじっくり時間をかけて焼きます。

 「土づくりの大切さを伝えたくて焼き芋屋を始めたんです。土づくりからこだわってつくられたお芋のおいしさを知ってもらい、そこから作る人や食べる人など、もっと人の輪を広げたいと思って始めました」と、オーナーの石山陽介さん。2009年に、中崎町の市場に小さなお店をオープン。2016年12月1日には、おいでやす通りに移転。カフェを備えた広いお店になりました。

オーナーの石山陽介さん。

 石山さんは、1979年生まれ。大学卒業後に、土壌改良剤のベンチャー会社で土に触れ、それを使って作った野菜などから、食べ物のおいしさに気付きます。その後、独立を決意して大阪に戻り、アウトドア関連の会社へ。

 そしてサーフィン好きの同僚から紹介してもらった農家を訪ねて、種子島へ向かいました。何軒も断られた中で一軒の農家が、その土壌改良剤を使って安納芋を栽培してくれることになりました。シンプルに焼き芋にして売ろうと、1坪半の小さなお店を開業。

左:焼き芋用の窯。
右:専用の窯で芋を焼きます。

 「焼き芋を売りながら、いろんなことやいろんな人にアプローチできないかと思って。百貨店など、あちこちのイベントに出店して商品と店をアピールしてきました。2016年5月に大阪駅前のルクア イーレにも出店。中崎町本店は移転して13坪の広さになり、スタッフは20名近くになりました。富田林の自分達の畑でサツマイモを植えて収穫もして、勉強しているところ。社会実験をやっている感じです」とにっこり。まだまだ、いろんな形で広がりそうな焼き芋屋なのです。

2017.01.08(日)
文・撮影=そおだよおこ