100種近いサツマイモを食べ比べて完成した究極のおやつ
大阪府の北部に位置する茨木市は大阪市のベッドタウンとして開けましたが、今日でも豊かな自然が残り、毎年11月には農業祭も開かれます。意外に知られていないのが『宮本輝ミュージアム』。市内の追手門学院大学付属図書館にあり、作家・宮本輝氏の直筆原稿や愛用品などを含め、数多くの資料が展示されています。ファンならずとも一度は訪れてみたいもの。
そんな茨木市の中心エリア、阪急京都線茨木市駅から歩いて3分の「茨木阪急本通商店街」は、茨木神社の東門まで約500m続く、地域密着の親しみあふれる商店街。その中で一際目を引くパンダの絵の看板が『さつまいも専門店 らんらん』です。
右:オーナーの奥井まりこさん
「明治時代から続く氷屋を15年前に私が受け継ぎました。祖父が焼き芋を売っていたと聞き、飴ポテトと蜜かけポテトを作って販売を始めたんです」と、店主の奥井まりこさん。
店頭には、お芋の種類が異なる「飴ポテト」「蜜かけポテト」の他、焼き芋、スイートポテト、タルトやチーズケーキなど、お芋を使ったスイーツが並んでおり、お芋好きならずとも思わず引き寄せられてしまいます。
奥井さんは、全国の100種類近いサツマイモを食べ比べ、それぞれの商品に合うお芋を時期によって厳選して使っているのだそう。「穫れたてすぐではなく、温度管理して貯蔵庫で寝かせ、甘みが増したお芋がいいですね」と奥井さん。
徳島県産の鳴門金時はしっとりしていてホクホク。その中でも最高品質の品種「里むすめ」を使用。また、鹿児島県産の安納芋は蜜があふれだすほど甘くてねっとり。県内各地で作られていますが、奥井さんは種子島産にこだわります。
サツマイモのお菓子専門店も珍しいですが、奥井さんのこだわりも半端ではなくすごい!
「焼き芋は、お芋そのものがおいしくなってから、下ごしらえをして特別の釜で焼きます。約1時間半かけてゆっくり焼き上げるんですよ」とにっこり。1週間から2週間かけて少しずつ食べるのが奥井さんおすすめの食べ方。お芋の奥深いおいしさに感動します。
2013.10.27(日)