駄菓子屋さん感覚で気軽に買いに行ける本物のプリン

 近年、洒落たフレンチレストランやトラットリア、スパニッシュバルやショットバーなどが次々できて、大阪で注目のエリアのひとつとなっている西区新町。

 今日、新町と呼ばれるエリアには、17世紀後半から5つの曲輪(くるわ)を中心とした遊郭がありました。江戸の吉原、京の島原と並び、三大遊郭のひとつとして栄え、井原西鶴や近松門左衛門などが、作品の舞台としたことでも知られています。

黒ゴマと黒蜜のプリン 1個 350円

 そんな新町に5年前にオープンしたのが、プリン専門店『プーサン』。ドアもない簡素な屋台風のお店ですが、遠方からわざわざ買いに行くという人もいて、話題になっているのです。

外観

 オーナーの松本伸さんはフレンチやイタリアンのお店で修業。「いつかレストランを開くのが夢で、何気にいい物件がないかと探していて、この場所を見つけました。ここにおいしいプリンのお店があったらいいなと思って始めたんです。シェフとしてやってきた経験や技を駆使して、誰もがおいしいと思える味を追求しました。小さい頃、お母さんが作ってくれたプリンを高級にした感じかな」とにっこり。

オーナーの松本伸さんと奥様・麻衣子さん、長女の萌菜ちゃん

 大層な店構えでなく、かつてあった駄菓子屋さんのように、「プリン1個ちょうだい!」と気軽に買いに行けるような造りがかえって新鮮です。

 プリンは日替わりで7~8種類。その日に作ったものが売り切れたらおしまいです。

 材料にはおおいにこだわり、壁の黒板にもしっかり表記されていました。

「何をつかっているのか、きちんと表記して安心感を持ってもらいたいんです」と松本さん。そして、それぞれのプリン毎に、微妙に硬さや味の濃さを変えているのだとか。その種類、季節のものを入れると30種類以上。「次々、新しい種類を作りたくなってしまい、試作中や未完成のものもたくさんありますよ(笑)」。訪れる度に、新しい味のプリンが見つかるでしょう。

<次のページ> 「1個で満足してもらえるように」とボリュームもしっかり

2013.10.13(日)