頭の中が真っ白になる、初めての経験

――主演最新作『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』は、まさにマンガ原作ですが、ほかの作品に比べてプレッシャーも大きかったのでは?

 最初、この話をいただいたとき、原作のことは知らなかったんです。たまたま母親にこの作品のことを言ったら、妹がコミックを全巻持っていることを教えてくれました。それだけ妹は原作のファンだったので、僕がリクを演じることを知って「大丈夫なの?」と何度も言ってきました(笑)。

――初めてのコミカルな作品なうえ、豪華な共演者の先頭に立つという、新たな挑戦はいかがでしたか?

 現場に入る前は、これまで演じたことのないコミカルな作品ということや、豪華な共演者の方にお会いする楽しみの方が大きかったんです。不安でビクビクしていてもしょうがないかなと……。

 でも、いざ現場に入って、初めて全員が絡むシーンを撮るとき、自分の立場の恐ろしさというか、このキャストの先頭に立つことのプレッシャーみたいなものを感じたんです。妙な格好をしたキャストが自由に動き回るなか、自分はどこを見て芝居をすればいいんだと……。その瞬間、集中力が切れてしまい、頭の中が真っ白になるという初めての感覚に襲われたんです。

――どのようにして、そのような状況を乗り切ったのですか?

 その日は、この一日だけは乗り切らないと、という気持ちでいっぱいでした。ただ、そういうことも監督に話したら、どんどん現場に馴染んでいけましたね。とにかく今回の現場は、その現場に合った適切なコミュニケーションをとっていかなきゃいけない、ということを学んだ気がします。

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2012.01.20(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Mami Yamada
styling:Yonosuke Kikuchi
hair&make-up:Takashi Hida(kind)