大航海時代のロマンを感じる荒々しい光景
到着した喜望峰は、駐車場の先に「CAPE OF GOOD HOPE」と書かれた看板と記念碑、ルックアウトポイントへの道があるのみ。
観光地にありがちな物売りが待ち構える露店もなく、ゴツゴツした岩肌を露出した岬と、荒波が次々と押し寄せては砕ける海が、強い風の中に広がっています。人工物があまりないせいか、大航海時代に探検家たちが目にした光景と同じかもと思うと、感動もひとしおです。
喜望峰から車で約10分のケープポイントは、海抜249メートルの大海原に突き出した半島。ぐるりと海に囲まれ、喜望峰や風雨に削られた荒々しい断崖を見晴らすことができます。この岬は西側からの冷たいベンゲラ海流(大西洋)と、東側からの暖かいアグラス海流(インド洋)が出会う場所。
岬の右と左とでは、まったく異なる環境に暮らす海洋生物が集う、貴重な場所でもあります(厳密にいうと、大西洋とインド洋が合流するのはアグラス岬だそうですが)。
東側のフォールス湾は6~11月にミナミセミクジラやザトウクジラが訪れるホエールウォッチングスポットでもあり、アシカやイルカの群れも出没するそう。植物のみならず、海洋生物にとっても、パラダイスなのです。
喜望峰
●アクセス ケープタウンから車で約1時間30分。ホウトベイやボルダーズビーチも周遊するオプショナルツアーに参加するのが便利
●おすすめホテル ザ・テーブルベイ・ホテル
http://www.suninternational.com/table-bay/Pages/default.aspx
【取材協力】
南アフリカ観光局
http://www.south-africa.jp/
古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2016.11.20(日)
文・撮影=古関千恵子