色彩を際立たせる撮影のコツ その2
「ホワイトバランスは鍵となる色に合わせて」

カノンチャンというお菓子。米粉、ココナッツミルク、砂糖を混ぜて型に入れ、蒸したもの。淡い色の被写体は弱い光で優しく撮る。

 お気に入りの被写体を見つけたら、ポイントに決めた色に合うホワイトバランス(以下WB)を設定する。

以前の記事で、WBはフィルターのように自由に使うことを教えたが、ここでは被写体の色を忠実に出したいので、目で見た色と同じ色になるようにWBを設定する。

アンチャンという花で色付けされた飲み物。数個の同じ形の被写体は、遠近感を出すように並べて撮る。
プアン族の民族衣装。ウェルカムダンスを披露する女性の胸元だけをクローズアップして撮る。

 その時に気を付けなければいけないことは、カメラの液晶モニターの明るさ設定である。この設定の明暗が大幅に偏っていると、きちんとした色が把握できない。よって丁度±0に設定しておくとよいだろう。

 さあ、どんどん出会った色彩をカメラに収めよう! 食べたソムタム(パパイヤサラダ)の中の赤唐辛子、タイオヤジが運転するトゥクトゥク、メコン川のコーヒー牛乳色、出会った人の笑顔からこぼれた金歯! さあ、色彩の国、タイを楽しもう!

バナナの花。赤色の補色である緑色を背景に活かして、花を引き立たせる。
老職人の手。手の色も十人十色。斜光で皺を活かして撮る。黒っぽく見える爪先は藍染めをしている証。

2016.09.25(日)
文・撮影=山口規子