山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.18 タイ

「微笑みの国」には素敵な色彩がいっぱい!

タイシルクの絹糸はどれも色鮮やかなものばかり。この細い糸たちが一本一本重ね合わされ、一枚の布となっていく。

 旅の記憶は、その国の空気の匂いや、出会った人と交わした会話、手に触れた感覚、初めて食べた味など、それぞれの感覚機能がフル回転しながら記録されていく。その中の1つ、視覚という機能はカメラマンにとってかなりの比重を占める。

寺院はどこも金色の装飾が多く、照り付ける太陽で一層輝きを増す。

 そこで今回は、タイを旅しながら色彩を意識して写真を撮る方法をお教えしよう。「色彩? なぜタイ?」。それはこれから紹介する写真を見ればすぐわかる。タクシーからトゥクトゥク(三輪タクシー)、人々の衣装まで、色彩豊かな写真を撮ることができる国なのである。題して「色彩の国・タイ」である。

街を走るトゥクトゥクはピンク、緑、黄色などいろいろな色があって、街全体が遊園地のようだ。

2016.09.25(日)
文・撮影=山口規子