色彩を際立たせる撮影のコツ その1
「多色の場合はポイントとなる色を見極める」

ホテルでもらったウェルカムフラワー。ジャスミンの花の色は部屋の窓から差し込む夕日を活かして逆光で。

 まずは色の見つけ方のポイント。それは光を見つけることである。光が無ければ色が出ない。

 そしてとにかく街を歩くこと。これはスナップ写真撮影と同様、自分の脚で歩くことである。そしてキョロキョロと見回しながら光の中の色を見つける。

 そして見つけたらその被写体をよく見ること。この世のものは全て色が付いている。

カラフルな織物は沢山の色が混在しているので、ポイントにしたいものを手前にしてピントを合わせる。

 次に単色が際立っている被写体か、多色が調和している被写体かを見極める。単色ならそこにピントを合わせればよいが、多色の場合はどの色をポイントにするか自分で決めて、その色だけにピントを合わせる。

炊いたもち米の上に素揚げした豚肉を載せ、バナナの葉でくるんだカオニャオムーという食べ物。もち米の青色はアンチャンという花(右写真)から付けたもの。花を使ってもち米に色を付けるなんて発想がすごい! ご飯は白という概念を植え付けられた日本人の私には衝撃的な色!

 例外は、混ざり合った多色が各々の色を殺し合わず丁度よい雰囲気の場合。そんな時は敢えて一色にポイントを置かず、全部にピントを合わせてしまおう。全部にピントを合わせるにはF値をF16やF22ぐらいの数字にして撮影しよう。

緑色のトゥクトゥクの背景に、同じ緑色のタクシーをわざと掛け合わせた写真。
絹糸は色だけでなく、光の角度を利用してツヤ感を表現してみよう。

2016.09.25(日)
文・撮影=山口規子