今宵の主役、手羽先&ももの登場です
次に登場するのは手羽先。付け根から先っぽまでがっつりあるので、しっかり大ぶりである。バキバキと手で解体しつつ、骨の隅々まで味わいたくなる。手羽先ひとつとっても新鮮できちんと調理された鶏肉というものは部分ごとに味も食感も違うので食べていてとても楽しい。大きいまま揚げているのに「あっちがジューシーならこっちがパサつく」みたいなことが起きないのがまた偉大だ。
さて、手羽先をイジイジと骨だけにしたら、いよいよ真打ち・もも肉の登場です。いわゆるクリスマスの骨付きもも肉の形でカラッときつね色に揚がっている。雛鳥だから小さめで油の質が良く、生たまねぎを大量に食べているせいで、胃袋はまだまだ余裕! ウェルカムもも! 表面を覆う皮の軽さ、溢れんばかりの肉汁、これぞ“揚げもも肉”の王道だ。雛鳥半羽、ふたりで1羽。あっという間にペロリである。締めにはコース外で鶏ごはんも。鶏のスープで炊き上げ、そぼろも鶏。本当に鶏尽くし。
さて、相談は何だったかというと「猫を飼おうと思う」というまったく色気のない話だった。確かにそれなら私にも答えられる。が、食べている時間の大部分を「骨をしゃぶる」という行為に費やしてしまったため、ほとんど会話はない。「猫は放っておいても大丈夫だよ!」とすっぱり答え、解散した。揚げ鶏の店は人生相談には向いていない。
Column
北條芽以のLOVEレストラン
美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!
2012.01.10(火)