#102 Padar Island
パダール島(インドネシア)

偶然見かけた看板に惹かれて旅が始まった

3つの入り江を一度に見下ろせる、パダール島。龍の背のような岩と海の色とのコントラストは圧巻!

 コモド島をはじめ、数百の島々からなるコモド国立公園への拠点となるのは、バリ島から国内線で約1時間20分のラブハンバジョという港町。国立公園内の島々は2~7日間程度のクルーズで周遊するのがポピュラーですが、ラブハンバジョから日帰りツアーでも訪れることもできます。

パダール島の外周を航行中。船上からも、魚たちが群れる水中の様子がうかがえます。

 今回のパダール島の存在を知ったのは、コモド島でのオオトカゲ・トレッキングの時。灼熱の太陽の下、歩き回っても出会えず、疲れ切った足取りでトレイルの出口付近に差し掛かった際、ふと見かけた看板に、「え、これ、どこ!?」。コモドドラゴンとコラージュされたパダール島の絶景に、一瞬にしてココロを鷲掴みにされました。こんな風景、見たことない!

漁船とも、プレジャーボートとも言い難い、シンプルな小舟をチャーター。

 ラブハンバジョに戻ってから、ダイビングサービスや現地旅行社を回ってパダール島行きツアーを探したのですが、見つからず。船をチャーターして行くことに。

 翌朝、手配してもらった船を前に、一抹の不安が……。漁船もどきの小さな船、そしてインドネシア語オンリーの船長さん。チャーター代金は安かったし、さらに値切ったし、仕方ないか……。

 パダール島はコモド国立公園に属し、コモド島とリンチャ島の狭間に浮かんでいます。ラブハンバジョから約3時間、島々の間を縫うように船は進んでいきます。

海面がヨレているだけに見えるけれど、実は激流。

 パダール島の付近に、島と島との配置によってか、強烈な潮流で海面が渦を巻いている海域が! エンジンをフルスロットルにしても前にも後ろにも行かず、止まったような状態が続き、小舟はまさに木の葉のように不安定。

 でも、さすが地元の海を知っている船長さん。手振りで船の中央にいるよう指示をして、エンジンを唸らせながら、どうにか通過!

2016.08.06(土)
文・撮影=古関千恵子