性を語る後ろめたさを払拭した「女性誌の歴史に残る名企画」とは…？　メディアが報じてきた“日本女性の性への本音”

　ウーマンリブから『エマニエル夫人』、『anan』セックス特集まで。時代ごとに書き換えられてきた女性の心と性は一体どこへ向かうのか。振り子のように揺れ続けてきた変遷を、齋藤薫さんが紐解きます。（全2回の2回目／最初から読む）

【1980】「モア・リポート」は日本女性の性への本音を赤裸々に伝えた

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 『ハイト・リポート』の日本版と言える「モア・リポート」は1980年発表、5400人以上からの回答を集めた。

 「SEXが好きですか？」などの45の質問から、約7割が「オーガズムのふりをしたことがある」といった回答を引き出した。誰にも言えない性への不満や不安が堰を切ったようにほとばしり出た結果である。

　ちなみにこの頃50万部超えの発行部数を誇った『MORE』も、2023年以降、季刊となっている。今のSNS時代では読み取れない等身大の日本女性の本音を、愛情を持って丁寧に引き出した功績には敬意を表したい。

CREA 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。