半年にわたって開催された「大阪・関西万博」もついに閉幕。万博の熱気もそのままに、多くの人でにぎわう大阪にはここでしか味わえない食い倒れグルメがたくさん。今回は、昔懐かしい大阪の和菓子と、洗練された新時代のスイーツ店を3店舗ご紹介します。
» 1_「実と美」で味わう 一口サイズ最中とお茶の至福体験
» 一口サイズの最中に詰まったこだわりの素材
» できたての最中を楽しむのが、最高の食べ方
» 手土産やギフトに自分で作る最中セットも
» 2_老舗和菓子店が紡ぐ 昔からの大阪名物「とん蝶」ふるさとの味
» 創業150年の歴史と「とん蝶」の誕生
» 個別包装で旅のおともや差し入れにも最適
» 3_「菓菓かはん」で出会う 和洋折衷の美しいお菓子
» 和菓子のような洋菓子、洋菓子のような和菓子
» 落ち着いた雰囲気の店内からはおもてなしの心を感じる
1_「実と美」で味わう 一口サイズ最中とお茶の至福体験
大阪・上本町の住宅街の一角にひっそりと佇む「実と美(mitomi)」。2019年10月にオープンしたこのお店は、和菓子の伝統を大切にしながらも、現代のライフスタイルに合わせた新しい形の最中を提供する専門店です。
外観はシンプルで落ち着きがあり、街の風景に自然と溶け込むように佇んでいます。初めて訪れる人でも、心地よく引き込まれるような空気が漂っています。
店内に入ると、アンティーク調の木製カウンターや棚、ベンチが備わり、落ち着いた空間が広がります。大きなガラス越しに整然と並ぶ最中の見本は、一つひとつがまるで宝石のよう。コンパクトな店内ながらも、居心地が良く、自然と気持ちが緩むのを感じます。
一口サイズの最中に詰まったこだわりの素材
「実と美」の最中は、一口サイズに仕立てられており、見た目にも美しいのが特徴です。小さな皮に餡がぎゅっと詰まっていて、とてもかわいらしい。ひと口で頬張ると、パリッとした皮の香ばしさと、餡の優しい甘みが口の中で広がり幸せな気分に。
最中の餡は、素材ごとに異なる特徴を持っています。定番の粒あんは、北海道産の小豆を使用し、上にのせた炒り玄米が香ばしさとザクザクとした食感のアクセントになっています。
女性や子どもに人気のミルク餡×フランボワーズは、洋菓子のような風味の中にあんこの優しい甘みが隠れ、フランボワーズの酸味とピスタチオの香りが絶妙にマッチ。抹茶餡×大納言×塩昆布は、特上の宇治抹茶を使い、抹茶の香りとほろ苦さが絶妙に餡と絡み合います。
どれも小さいながらに手間暇かけて作られており、見た目も華やかで、食べる前から心が躍ります。
できたての最中を楽しむのが、最高の食べ方
注文を受けてから皮に餡を挟む「できたて最中」方式を採用しており、提供までのわずかな時間にもどんどん期待が膨らみます。最中は作り置きではなく注文に後に仕上げるため、皮のパリッとした食感が損なわれません。店主によれば、「最中は時間が経つと餡の水分で皮がしっとりしてしまうため、早めに食べることが美味しさのポイント」とのこと。
テーブルに運ばれた最中を手に取り、まずは定番の「小豆×炒り玄米」を一口で。口の中でパリッと皮が弾け、香ばしい玄米の食感と粒あんの甘さが絶妙に絡み合います。続いてミルク餡×フランボワーズを頬張ると、フランボワーズの酸味とミルク餡のまろやかさ、ピスタチオの香ばしさが口の中でハーモニーを奏でます。
お茶とのペアリングでさらに至福のひととき
「実と美」では、最中に合わせるお茶にもこだわりがあります。とくにおすすめなのが、一番茶だけを使って作られた特上焙じ茶。香ばしさとまろやかさを兼ね備え、最中の甘さと絶妙に調和します。店主によると、「最中とお茶のペアリングは五感で楽しむことができるので、ぜひ味わってほしい」とのこと。和菓子とお茶の香りや温かさ、味わいのハーモニーが、食べる体験をより豊かにしてくれます。
カウンター席での店主との会話もまた楽しい時間。最中の製作工程や素材のこだわり、季節ごとの限定フレーバーの開発秘話など、店主の言葉から和菓子への深い愛情が伝わってきます。「お客様に喜んでもらうため、一つひとつ心を込めて作っています」という言葉に、和菓子への誇りと真摯な姿勢を感じます。
手土産やギフトに自分で作る最中セットも
手土産やギフト用の「自分で作る最中セット」も要チェック。好きな餡とトッピングを自分で挟むことができ、家族や友人とワイワイ楽しみながら味わえます。オンラインショップからも注文可能で、遠方への贈り物にもぴったりです。
伝統的な和菓子の技術を活かしながらも、現代的で遊び心あふれる最中を提供する専門店「実と美」。一口サイズながら素材の風味や食感を最大限に引き出したできたて最中体験や、お茶とのペアリング、五感で味わう至福のひとときを提供してくれます。
実と美
住所:大阪市天王寺区上汐3丁目5-19
営業時間:平日12:00-18:00、土日祝11:00-18:00
定休日:月、火曜日
公式サイトはこちら
