外資系ブランドが作り出したプレミアム下地
右:セミマットで明るいパーフェクトな白肌が叶う名品。ブラン ドゥ シャネル N 30mL 5,500円/シャネル
そうしたプレミアム下地の共通点は、ともかく見た目にも美しいこと。まず新製品ランコム アプソリュのサブリムグロー ベース。よく見てほしい。透明ジェルの中に、ランコム象徴のバラの花が咲いている。じつはこのバラ、エイジングケア美容液で描かれていて、美肌の疑似皮膚を作ってくれるのだ。クリスタルジェルの中には7色に光るピグメント。これは光反射でくすみを取り除き、華やかな艶を与えてくれる。仕上がりもさることながら、それ自体の美貌に人をキレイにしたい情熱のようなものが読み取れて、思わず手にしてしまう。下地の意味と効果を思い知るためにもぜひ。
ゲランは昔から下地づくりに積極的だが、今回ここは保湿ジェルの中に歴史的名品、メテオリットをお手本にした真珠粒のようなピンクのカラーパールを詰めた。虹色に輝くローズカラーがくすみを飛ばして、艶めく姫色オーラの肌色へ導いていく。
一方、最近ベースメイクで次々ヒットを飛ばしているYSLは、やはり超名品ラディアント タッチからゴールドパールが浮かんだ下地をリリース。透明ジェルがブラー(ぼかし)効果で極上の皮膚感を作り、ゴールドの温かみある、ふわっとした輝きを与えて、どんなドレスアップにも負けない艶肌を作る。これも美しさで圧倒。
そして外資ではおそらく一番早く“下地づくり”に取り組んだシャネルは、もっとも得意とする“白のベース”を進化させ続けてきた。まさに純白のベースでここまで透明な明るさを出してくれる下地は他にない。外資のトップブランドのズバ抜けた美意識、見て見て。私はこんなにキレイという主張が、こうした見るからに惚れ惚れする“美貌の下地”を作り上げたのだ。今の旬の下地選びは、“美貌”を基準に!! 歴史上初めて下地が主役となったのだから。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2016.02.03(水)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫