塗り心地・発色・輝きが違う! アディクトリップの劇的進化

 その後、グロスやフルイドリップ、マスカラ、フレグランスとラインナップが広がり、2012にはラフ・シモンズがファッションデザイナーに着任し、新たなアディクトの世界が広がる。

「たとえば、ショッキングピンクのような蛍光カラーやモダンアート的な色合い。ビニールのような光沢感などエレクトロニシティ(電気的)な要素が加わってモダンなイメージになり、若い世代のファンがすごく増えましたね。14年からラフの長年の友人でもあるピーター・フィリップスがメイクアップ クリエイティブ&イメージ・ディレクターとして参加し、ファッションとメイクの結びつきが一段と深まりました」(藤本さん)

 時代のムードや女性たちの気分を常にキャッチしてアップデートしていくのがアディクトの強み!

「美にこだわり抜くムッシュ ディオールの精神を受け継ぎながら新しいものを提案する。変わり続けることもディオールの伝統。アディクトの使命はここにあります」(藤本さん)

 その最新版が2015年9月に発売された「ディオール アディクト リップスティック」だ。人気カラーを踏襲した全31色は柔らかな輝きを放つグロウ、ミラーのような輝きのフラッシュ、パールとスパンコールを極限まで組み合わせたグリッターの3つで構成され、新たに“ジェル トップコート”を内蔵。口紅の中央にあるCDロゴがそれで、唇につけるとリップカラーとトップコートが溶け合い、潤いと輝きをブーストして3Dのようなぷっくり唇を生み出す仕組み。塗り心地はさらに軽やかに、色持ちが良くなったのも嬉しい。

「ジェル トップコートには化粧品に使用されるオイルの中で光輝性の高い3種を厳選。口紅を使い切る最後まで効果を楽しめる設計です」(藤本さん)

 色と輝きの絶妙バランス、テクニック要らずの機能性。ディオールの技術力ってやっぱり半端じゃない。

「今回は広告などで“Shine, don't be shy!(シャイな自分を脱ぎ捨てよう!)”というスローガンを掲げていて、使ってみたかった色や初めての色にチャレンジする提案も。自分の意外な魅力を発見したり、リップメイクの楽しさを知ってもらえたら嬉しいですね」(藤本さん)

 まさにシャイな日本人にぴったり。新しいアディクトで女っぷりを磨く。口紅が苦手という人も絶対にチェックですぞ!

2015.12.29(火)
文=吉田昌佐美
撮影=西原秀岳

CREA 2016年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

冬にしたいふだんのこと、と映画

CREA 2016年1月号

冬にしたいふだんのこと、と映画

定価780円