畢生の名曲「熟女B」の深すぎる歌詞

 これからする話は、「トリビアの泉」においても取り上げられるなど、もはや消費し尽くされた感もあるのだが、やはり五月ビギナーには絶対知っておいてほしい基本中の基本なのでここできちんと触れておきたい。何についてかといえば、畢生の名曲「熟女B」についてだ。

こちらが「熟女B」のジャケット。後述の『お・し・え・て・アイドル ポリドール編VOL.1 少女神話』インナースリーブより。

 中森明菜の大ヒット曲「少女A」へのアンサーソングとして1983年にリリースしたこのシングル、作詞はなかにし礼、作曲は中村泰士、そして編曲は竜崎孝路。歌謡界のマイスターたちが心血注いで作り上げたマスターピースだ。一度聴いたら絶対に忘れられないインパクトを放つ。

 冒頭からして圧倒される。「バナナの皮をむくように 私の服をぬがせたら しばらく灯りをつけたまま 見おろしていてほしい」。この歌い出しは、もしかするとヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコに対する日本からの回答であろうか。そしてサビ。「左の乳房に貞操を 右の乳房に欲望を つつんで生きている女 あたし熟女B」。こんな歌詞、この世において五月さん以外の誰が歌いこなせるというのか!

「熟女B」は、『お・し・え・て・アイドル ポリドール編VOL.1 少女神話』というコンピレーションにも収録されている。早見優、柏原よしえ、石原真理子といったメンツの中で、五月さんは明らかに異彩を放っている。

 以上、青二才がつらつらと熟女界の巨星・五月さんについて書き連ねてきたが、知りたいことはまだまだある。例えば、五月みどりと小松みどりが姉妹であるということは、ひょっとすると彼女たちの名字は「みどり」の方ではないのか、とか(つまり、敏いとうの名字が「いとう」の方であるように)。

 もうやめよう。これまで綴ってきた内容など、すべて忘れてもらっても構わない。ただし、ひとつだけ覚えておいてほしい。あなたがもし、悲しくて涙も枯れはててもう二度と笑顔にはなれそうもない局面を迎えた時は、「五月みどり 腹話術」というキーワードで検索した動画を見るべきだということを。新しい希望が湧いてくるだろう。

 五月病にかかった俺は、五月革命の成就を目指し、今後も五月みどり研究に邁進することを誓います!

 ということで、五月さんはどこにも載っていませんが、CREA12月号をぜひご購入ください! おひまなら読んでよね! 一週間に十日読め!

現時点での五月さんの最新シングルは、渥美二郎さんとのデュエット「東京ナイト」。矢沢永吉の同名曲のカバーではないのでご注意を。

ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集室メンバー。カットモデル歴25年。

Column

CREA WEB編集室だより

このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。

2015.11.30(月)
文・撮影=ヤング