Vol.023 Oh! Yeah!|小田和正
セーターブック企画の
好評にうっかり釣られて
こんばんは。カラオケGSスタジオ六本木店店長の江藤です。嘘です。CREA WEB編集長のヤングです。
先日、弊サイトで連載がスタートしたばかりの「今振り返る“セーターブック”の世界」が異常なほどの好評をもって読者に迎えられている。
このコラムは、1980年代から90年代にかけて流行した、いわゆる「セーターブック」についてディープに掘り下げる企画。
編み図と共に人気モデルや駆け出しの若手俳優が鮮やかで個性的なセーターを身にまとったこれらの本、一定以上の年齢の読者なら、涙が出るほど懐かしく思うことであろう。
この連載はこの連載でまだまだ続くから期待してほしいわけだが、これだけ人気なら、二匹目のどじょうを狙ってみようと編集長の俺も参入してみた次第である。
そういや、よく男性演歌歌手が変わった柄のデザインセーター着てた印象があるから、その手のCDさらってみたらコラム一本ぐらいすぐできんじゃねえの。
……なんて安易に思いつつ検索してみたが、意外にも、ジャケット写真ではあまりセーターは着てないのである。
とりあえず、ざっとさらってみて、セーターを着ていたのは大川栄策ぐらいのものであった。
大川栄策といえば、「ザ・ベストテン」などでタンスを担ぎ上げる勇姿および「スターどっきりマル秘報告」でお色気系のどっきりに鼻の下をのばしながらまんまと引っかかっていた無防備な表情が想起されるわけだが、今回、少し調べてみて、この人の本名が「荒巻逸造」であることを知った。
フィジカルな意味合いでいろいろな想像を繰り広げさせてしまう語感ではあるが――簡単に言うと、身体のとある一部が極端に大きそうという意味だが――、ここでうっかりストレートな言い回しをすると女性誌公式サイトとして語弊があるので控えめに表現すれば、とても精力的な印象を与える名前だよね!
名は体を表す。大川栄策というのもなかなか素敵な芸名だと思うが、荒巻逸造のままデビューした方がよかったのではなかろうか。俺はもう、この人を荒巻逸造としか呼べない。
なお、筆者は前世紀末から、Eisaku Okawaを主演に据えた「キャプテンEO」という3Dアトラクションを東京ディズニーランドで上演すればいいのにと主にやる気茶屋などで泥酔しながらプレゼンテーションを行ってきたのだが、2002年になって、「大川栄策の実弟」というだいぶ雑な設定で「イー・オー」なる名義の覆面歌手がデビューしたのには驚いた。
俺はいつも、一銭の得にもならないところで予知能力を使う。
2019.02.10(日)
文・撮影=ヤング
撮影=深野未季、平松市聖
写真=文藝春秋、共同通信