山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.8 城崎温泉(兵庫県)

志賀直哉も愛した街はどこを撮っても絵になる!

温泉街の中心を流れる大谿川(おおたにがわ)にかかる愛宕橋は記念撮影に人気のスポット。

 朝晩冷え込んで寒くなってきた今日この頃。9月に左足首靭帯を損傷してからますます身体が温かい場所を求めている。撮影も楽しめて治療も同時にできる場所、そうだ、温泉へ行こう!

 温泉といえば、兵庫県豊岡市役所の職員向けに写真教室を年4回やっていた時よく訪れていた城崎温泉。ここは志賀直哉の小説「城の崎にて」でも有名だが、夕方になると浴衣を着た人々がカランコロンと下駄を鳴らしながら柳の下を歩き、とても風情のある温泉街である。温泉取材は何度もしてきたけれど、街全体が絵になる温泉街は意外と少ないのだ。

城崎温泉ロープウェイから見た城崎温泉。左上に見えるのは日本海。兵庫県が日本海と瀬戸内海の両方に面していることはあまり知られていない。

 羽田空港から伊丹空港へ。そこで小さなプロペラ機に乗り換えて40分のコウノトリ但馬空港へ。そこから車で30分(公共バスは40~50分)。飛行機が苦手な人(特にプロペラ機が怖い人)は東京から京都経由の列車でも行ける。

 ちなみに城崎温泉駅の発車メロディはドリフターズの「いい湯だな」で、カニの季節になるとPUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」に代わる。これを聞きたい人はぜひ列車で行ってみてね。では、早速、温泉の香りがする方へ撮影に行ってみよう!

ゆるやかなカーブを描きながら流れる大谿川は、そのカーブの位置からが撮影ポイント。

2015.11.25(水)
文・撮影=山口規子