DIOR
「ローズ デ ヴァン」のリバーシブルジュエリー
ジュエラーの中でも独自の世界を築いているディオールは、私が個人的に贔屓にしているメゾンのひとつ。アーティスティック クリエイターのヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌが生み出すファンタジックな宝石は、フレンチらしいエスプリと時代性が感じられ、新作が出るたびに「自分でも欲しい」と思ってしまうほど。
今回ご紹介したブレスレットも、とても私好みのデザイン。スターモチーフと、ムッシュディオールの愛したローズなどを重ねたシンボルが輝く面と、反対側の色石だけの面とのリバーシブル。手の動きに合わせてチャームがひっくり返ったときに違う表情が表れる、その意外性に魅了されました。色違いでレイヤードしてもしっくりくる肌馴染みの良さや、サイズ感もパーフェクト。何より、つけていて楽しい気分になれるのです。ジュエリーを目にするたび、ちょっと嬉しくなったり、一日を気分よく過ごせたり。こうやって日常の中に、小さな喜びを意識的に作っていくのも、大人には必要なことだと思います。
新作「ローズ デ ヴァン」は、ムッシュディオールが幼少期を過ごしたグランヴィルの館 リュンブにある風配図のモチーフと、彼のお守りでもあるスターと、生涯愛したローズを重ねた、メゾンの歴史が詰まったモチーフが施されている。裏側は色石のリバーシブルで、ふとした動きで表情が変わるのがいい。ブレスレットとお揃いのネックレスも。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2015.08.19(水)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
make-up=Masayo Tsuda(mod's hair)
hair=Takeshi(SEPT)
model=NATY
text=Miwako Yuzawa