結婚30周年で妻に贈ったプレゼントが園内に!?

跳ね橋を渡ってすぐのところでは、一番古いアトラクション「キングアーサー・カルーセル/王様の剣」が今も回っている。

 「眠れる森の美女の城」が開園セレモニーの場所。当時は本当の跳ね橋が設けられていた。

 セレモニーにあたってウォルトが発したのは、「この幸せな国に来るすべての人々へ。ようこそ、ディズニーランドはあなたの国です。To all who come to this happy place; welcome. Disneyland is your land.」という言葉から始まる、短いがディズニーランドの哲学が詰まった25秒のスピーチ。それが終わると橋が下り、ミッキーマウスを先頭にみんなが入場したという。テレビを通して、これを見守ったのは、実に7000万人。

 「フロンティアランド」を通って、「ニューオーリンズ・スクエア」に向かう途中、立ち止まったのは大きな石の前。なんとこれは結婚30周年記念に故郷のマーセリンに行く途中、ウォルトが見つけて妻リリアンに贈った何百年も前の木の化石。置く所に困ったリリアンだが、ちょうどパークの地理的なアイコンになってよかったらしい。

この化石、貴重なものには違いない。ここに置かれたおかげで、この妻の贈り物は、7億人近くの人が目にしただろう。

 「ニューオーリンズ・スクエア」は1966年に完成した新しいエリア。ここには、ジャズが好きだったウォルトがプライベートにVIPを招いて食事をし、音楽を楽しみたいという思いから作った会員制の「クラブ33」があって、今も、メンバーであれば5ツ星クラスのダイニングを楽しむことができる。

左:ギフトショップの2階には招待状を持った人のみ宿泊できる客室「ドリームスイート」がある。
右:ここで、ウォルトが好きだったドリンク、ミント・ジュレップ(ライムジュースにミントが爽やかなドリンク)も楽しめる。

 そこから「トゥモローランド」へはディズニーランド鉄道に乗って。幼少の頃、家の庭にあった小さな鉄道模型に乗って遊ぶのが好きだったウォルト。彼の夢は、ここでも訪れる人をハッピーにしている。

左:ウォルトは鉄道が大好きだった。
右:ウォルトの思いを噛み締めながら、園内を移動するのは胸がワクワクする体験。

2015.07.28(火)
文・撮影=小野アムスデン道子