Magnificent View #617
オビドス(ポルトガル)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ポルトガルの首都リスボンから80キロほど北にあるオビドスは、丘の上に広がる小さな村。高い城壁に囲まれた中に、中世の街並みが残されている。

 街は、1282年、スペインから嫁いだイザベル王妃とその夫ディニス1世がハネムーンで訪れた場所としても知られている。その美しさに魅せられた王妃に、王は結婚の記念にとオビドスの地をプレゼント。19世紀まではポルトガル王妃の直轄地として栄えていた。

 現在は「谷間の真珠」の愛称で呼ばれているが、その由来は、朝日が当たる村が真珠のように輝いているからだとも。

 城門の中には、青い空に映える白壁の家が立ち並び、18世紀のアズレージョ(装飾タイル)をあちこちで見ることができる。6月から夏にかけては、ブーゲンビリアの花が軒先で咲き誇り、街はよりいっそう美しさを増す。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.06.09(火)
文=芹澤和美