宗教改革運動に対抗した「バロック」様式

「聖フランチェスコの法悦」グエルチーノ 1620年 チェント、ファーヴァ・コレクション蔵

 ルネサンスの流れは16世紀初頭に至り、ヨーロッパの人々の世界観と倫理観を主導してきたカトリック教会の根幹を揺るがす、宗教改革運動へとつながっていく。これに対抗した教会側の、信仰心を鼓舞するような、ドラマティックな視覚効果を特徴とする様式を、「バロック」と呼んだ。

 今展ではイタリア・バロック美術を代表する画家ながら、現在では知名度の低いグエルチーノの全貌を、44点の油彩画で紹介。

『グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家』
会場 国立西洋美術館 (東京・上野)
会期 2015年3月3日(火)~5月31日(日)
料金 一般1,500円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL http://www.tbs.co.jp/guercino2015

橋本麻里

橋本麻里 (はしもと まり)
ライター/エディター。1972年生まれ。明治学院大学非常勤講師。近著に『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(新潮社)、共著に『チェーザレ・ボルジアを知っていますか?』(講談社)、『恋する春画』(新潮社)など。

Column

橋本麻里の「この美術展を見逃すな!」

古今東西の仏像、茶道具から、油絵、写真、マンガまで。ライターの橋本麻里さんが女子的目線で選んだ必見の美術展を愛情いっぱいで紹介します。 「なるほど、そういうことだったのか!」「面白い!」と行きたくなること請け合いです。

2015.04.25(土)
文=橋本麻里