中野京子が伝授!
名画を10倍楽しむ鑑賞法

 中野さんの絵画エッセイを読むと、難解な名画が、身近で面白いものに見えてくる。美術展でもそんな風に楽しみたい、という人に贈る、今年おすすめの3つの展覧会ガイド。

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ウフィツィ美術館展
黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで

(東京都美術館)

日本初ウフィツィ! ボッティチェリの世界に惑溺

 メディチ家歴代の美術コレクションを数多く所蔵していることから、イタリアルネサンスの宝庫と言われる、ウフィツィ美術館。ついに日本初来日である。ウフィツィ美術館以外からは、アカデミア美術館、パラティーナ美術館など、フィレンツェを代表する美術館からも作品が集結。

 有名な『パラスとケンタウロス』など、ルネサンスを代表する画家ボッティチェリ作品を中心に、アンドレア・デル・サルト、ポントルモといった、15世紀から16世紀におけるフィレンツェ美術を牽引してきた画家の作品が約80点展示される。

 「ボッティチェリ作品はなかなか来ることがないので必見。テンペラ独特の風合いも、絶対に実物で観るべき」と、中野さんも期待。

なんとも言えない表情の女性たち。ぎこちないけどそれが魅力的!

『パラスとケンタウロス』 サンドロ・ボッティチェリ 1480~85年 テンペラ・カンヴァス 207×148cm  ウフィツィ美術館蔵 FOTO:S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze – Gabinetto Fotografico

女神に言われたら半人半獣もかないません

「学芸の女神パラス(アテナやミネルヴァの別名)は戦争における勝利と平和を象徴し、ケンタウロスは人間の獣性の象徴。まるで『文化的でないやつは、だめだよ』と髪を摑み、たしなめているように見えます。ボッティチェリらしく、身体にぴったりしたシースルーの衣装が繊細な描写。ケンタウロスの情けない表情もいいですね」

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2014.06.22(日)
文=宮下哲

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