イタリアンジェラート、おいしさの秘密
抜けるような青空、陽気に照らす太陽、イタリアが最も輝く季節、夏。私も大好きなのですが、しかし、この太陽、なにぶん暑い! でも、暑い日差しにカラッカラに乾いた体を潤してくれるおいしい食べ物がイタリアにはあります。
それはジェラート! 日本でも人気のジェラートですが、イタリアの人たちも大好き。街にはたくさんジェラート屋さんがあり、老若男女、ジェラートを食べる姿をよく見かけます。
そのおいしさの秘密を知りたくてフィレンツェの人気ジェラート店で伺ってきました。
さっぱりとしたシチリア風ジェラートが人気のお店「Carabé(カラベ)」。ミケランジェロのダビデ像を収蔵するアカデミア美術館の少し先にあります。
シチリア風ジェラートは、水と砂糖と旬のフルーツだけを使うのが伝統的なスタイル。フルーティでさっぱりとした味わいが特徴。甘すぎず、フルーツ本来の甘みと香りが活きていて、素材のおいしさをそのまま凍らして封じ込めたようなさわやかなその風味は、一度食べたら忘れられないおいしさです。
そのおいしさの秘密を聞くと、まず、ここ一番という食べごろの旬のフルーツを使うこと。そして、おいしいジェラートとなる最大の鍵は、混ぜることだそう。ジェラートを混ぜることで空気が含まれるのですが、この空気の割合で、その口溶け、味わい、おいしさががらりと変わるそうで、これが一番大切なポイントなんだと、オーナーのアントニオ氏が教えてくれました。
そうか、あの、ほどけるような口溶けは空気のおかげだったんだ。手作りのジェラートがおいしい理由、それは素材ひとつひとつを見極め、丹念に混ぜるから。手をかけることの大切さを知り、感慨深くジェラートをいただく。