Magnificent View #522
シェラーグボルテン(ノルウェー)

(C) Robert Harding Images/Masterfile / amanaimages

 岩壁と岩壁の間にすっぽりと収まる大きな岩。岩と崖下の高低差は約1000メートル、岩が少しでもずれれば、たちまち地面に落ちてゆくことになる。絶妙なそのバランスに、写真を見ているだけでも冷や冷やしてしまう。

 だが、この岩は長い年月、びくともせず、ここに収まり続けている。紀元前5万年頃の氷河時代末期、氷河の上に乗っていた岩が、氷が溶け出した際に流されてここに漂着、そのまま固定されたと考えられているのだ。

 2006年あたりから、ネットの投稿によりメジャーな存在に。岩の近くには、CG加工したかのようなインパクトある写真を撮ろうとする人たちが集まり、順番待ちの行列までできているという。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.03.06(金)
文=芹澤和美