ピッシンヌ・ナチュレルは天然のスイミングプール
島の西側、海に突き出た半島をはさんで、クトビーチと背中合わせにあるカヌメラ湾も、イル・デ・パンへ来たら訪れたいビーチ。大樹の並木道を抜けてアプローチします。
こちらはおよそ500メートルの三日月形で、背後をカジュアリーナの木とナンヨウスギに守られています。クトビーチよりもコンパクトながら、沖に突き出た岬が景色のアクセントに。オンザビーチにあるリゾートは、このカヌフラ湾の特等席です。
そしてフランス語で“天然のプール”という意味のとおりの、ピッシンヌ・ナチュレルも島を代表する名勝。隆起サンゴで外海からガードされた入り江で、潮の干満によって風景の印象も変わります。
干潮時はところどころ白砂の海底が干上がり、満潮時は美しいラムネ色の水があたり一面に。岩礁に向かって手を叩くと、こだまのように音が反響するのが面白くて、ついつい繰り返してしまいます。人工物が視界に入らないのも、嬉しい点。週末にはピクニックに来ているローカルの姿を目にすることもあります。
また、イル・デ・パンには持ち出しが禁止されているため、この島でしか味わえない巨大なエスカルゴが! 名物料理を楽しんで、美しいビーチめぐりをして……。やっぱり日帰りではもったいない島です。
イル・デ・パン
●アクセス ヌメアから国内線で約25分
●おすすめステイ先 ルメリディアン・イルデパン
URL http://www.lemeridien.com/
古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2015.01.31(土)
文・撮影=古関千恵子