クリニックにおける先進プログラムをハンディな一台に
いやそういう進化をわかっていてもちょっと驚いてしまうのは、クリニックにおける先進のプログラムを、ハンディソニックの中にあれこれ搭載してしまっているもの。
この道のオーソリティ、ヤーマンの最新機器「プラチナホワイト RF」はイオン導入導出、EMSに加えてラジオ波による温熱と、そして冷却までを一台でこなしてしまう。そう聞いてもどれだけすごいのかわからないと言う かもしれない。そもそもラジオ波って何? って。けっこうな美容オタクでないと知らない施術が、すでに家庭用になっている時代なのだ。
ひと言で言うなら、 ヘッドは熱くならないのに肌の奥のほうだけを深く広く発熱させて新陳代謝を活性化。リンパの流れを高めて引きしめてから脂肪燃焼までを行うわけで、他の機能と組み合わせれば、まさにプロ級の若返り効果をもたらせるというものなのだ。
さて、炭酸の美容効果はもう知っているはずだが、本来、家でできるのはせいぜいお風呂に炭酸系入浴剤を入れるだけ。シャンパンを肌に浴びるのも何か空しい。つまり自分での炭酸美容は、不可能に近かった。だから炭酸に美容液をのせて肌に噴きかける機器の誕生は大きな話題となったが、それが早くもハンディタイプになりケータイできるのだ。この進化にも本当に目を見張った。
一方、眼鏡のようにかけるだけで目もとの疲れを取り、潤いを与える、パナソニックの目もとエステも約40℃の加熱スチームとリズムタッチでマッサージ効果をもたらし、美容効果のみならずリフレッシュも行うから、実は愛用者の3割がすでに男性。そんな時代なのである。こういうものを無視していると、なんか人生レベルで損をしそう。
ともかく美容機器は、むしろこれからが本番。技術も進化し、企画も成熟。軽量小型化、低価格化もとすべて揃ってきた。今使わずにいつ使う的なタイミング。自分の手じゃひっくり返ってもできないプロの仕事を自宅でできてその場で目に見える劇的な変化を得る唯一の手段。究極のものぐさのほうが一発逆転になる時代なのである。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2014.11.03(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫