ワインに合うキッシュや子供が喜ぶパイも

 定番のキッシュをご紹介しましょう。

 ベーコン、タマネギ、ホウレンソウを使った「キッシュロレーヌ」や素材をシンプルに味わえる「キッシュプレーン」の他、4種類のチーズの「クワトロフロマッジョ」があります。

「クワトロフロマッジョ」500円。オーブントースターで、上のゴルゴンゾーラが溶けるくらい温めると、さらにおいしく。

 ゴルゴンゾーラ、マリボチーズ、グラナ・パターノ、クリームチーズの4種類のチーズが合わさって、奥行きのある風味。ワインとの相性が抜群です。「ブルーチーズのゴルゴンゾーラは、上にトッピングしてあるので、苦手な方は、除いていただけます」と南さんはにっこり。

「冷製キッシュカプレーゼ」は、ゼリー状に固めたトマトの中に白いモッツァレラがのぞいています。冷やして、つるんぷるんとした軽やかな食感を楽しむ一品。

「冷製キッシュカプレーゼ」600円。トマトとモッツァレラチーズに生ハムをのせた冷製キッシュ。

「スモークサーモンと玉ネギムースの冷製キッシュ」も、オードブルにぴったりの冷たいキッシュ。タマネギの甘味とスモークサーモンの風味が合わさって、ワインが進みます。

「キッシュボロネーゼ」は、ミートソースが大好きな子供達が食べられるようにと、コショウを使っていません。「ミートパイをイメージして創りました。ミートソースに野菜をたっぷり入れています」。

奥は「キッシュボロネーゼ」500円。野菜たっぷりの自家製ミートソース入り。手前は「スモークサーモンと玉ねぎの冷製キッシュ」。

「煮穴子とごぼうのキッシュ」や「牛すじ肉と人参のキッシュ」も定番。野菜の持ち味を生かして、肉や魚介と組み合わせたお料理のようなキッシュは、一度食べたらやみつきになるおいしさです。

手前は「牛すじ肉と人参のキッシュ」500円。黒毛和牛のスジ肉とニンジンを煮込んで。奥は「焼きとうもろこしとフレッシュアスパラのキッシュ」 500円。キッシュランチ1,650円~やスープセット1,250円あり。前日15時までの予約でコースランチ2,650円も。ワインを飲みながら味わいたい。

 旬の野菜を使ったキッシュは、その時々、何があるか、お楽しみ。「有機野菜たっぷりキッシュ」の他、期間限定で「大和丸茄子のメランザーネキッシュ」や、冬には「冬野菜 in デミグラスソースのキッシュ」、夏には「鱧とグレープフルーツの冷製キッシュ」も登場します。

 生地に使っているのは、全粒粉やライ麦粉に発酵バター。それらを使って、パイ生地やタルト生地を焼いて、キッシュに仕立てているので、香ばしさや食感、風味が違います。後口のキレがよく、大きなポーションですが、2、3個は、ペロリと食べられます。

 キッシュを選んでのランチセットもあります(不定期で、セットがない日もあるので、確認を)。

 季節の果物をたっぷり使ったデザートのパイやタルトも、人気です。桃、イチジク、ブドウ、洋梨など、果物そのものを食べるようなお菓子。みずみずしいフルーツが口の中で弾けます。

あたたかい「林檎のキッシュ」ホール3,000円。通販は桐箱に入って3,500円。

「林檎のキッシュ」はホールで持ち帰るファンも多い。

「桃のパイ」600円。イートインは鹿のライ麦クッキーを添えて。

 イートインでは、奈良にちなんだ鹿の形をしたクッキーを飾り、「かわいい」と大好評。

「お客様に喜んでもらえると、とってもうれしい」とおふたり。

 観光地から離れていますが、ちょっと足を延ばしてでも訪れたいキッシュ専門店。奈良散策のおやつは、キッシュと大和紅茶かワインにしましょう。

『キッシュ専門店 レ・カーセ』
所在地 奈良市春日野町158
電話番号 0742-26-8707
URL http://quicheteria-lecase.com/

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

 

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2014.10.26(日)
文・撮影=そおだよおこ