神戸・旧外国人居留地は、1868年、神戸港の開港に合わせて、外国人のための住居や商館を建てるために造成されたエリア。阪神・淡路大震災で被害を受けてなくなった建物もありますが、大正から昭和初期に建てられた近代洋風建築が今も残り、それらを眺めながらのそぞろ歩きが楽しい一角です。

「マスカルポーネチーズケーキ」 直径18cm ホール2,667円(3日前までに要予約)。

 そんな街に小さなチーズショップができたのは、2009年。神戸市立博物館がある京町筋に面したオフィスビルの1階奥にあり、歩道を歩いていたら、気づかずに通り過ぎてしまうでしょう。ビルの表にある、景観に配慮した地味な看板を見過ごさないよう、要注意。

左:ビルの前のこの看板が目印。
右:ビルに入るとお店への入り口があります。

 ビルの入り口を入って、エレベータホールを過ぎた一番奥に『Fromagerie Miu(フロマジュリー ミュウ)』はあります。

 お店のドアを開けると、ほんのり、チーズの香り。表通りに面していない、隠れ家のようなお店です。

店内には、チーズとワインなどのドリンクをイートインできるカウンター席とテーブル席があります。

 店主・神澤実友希さんは、「三宮・そごうと、元町・大丸の間のオフィス街。ちょっと足をのばして来ていただけたら、ゆっくりチーズを選んでいただけます。お昼間から、チーズとワインを楽しまれる方も多いんですよ」とにっこり。インテリアの仕事をしていて、ワインに興味を持ち、仕事帰りにワインとチーズを学ぶカルチャースクールに通って、チーズにはまってしまったのだそう。

神澤実友希さん(右)と小笠原夕紀さん。

「奥深いチーズの世界を知って、びっくりしました。そして、ワインと合わせるとチーズの風味が大きく変わる。マリアージュがとてもおもしろくて」。チーズプロフェッショナルの資格を取り、「もっとチーズについて知りたい」とチーズ専門店で働くように。そのお店がなくなり、自店を小笠原夕紀さんと始めました。

ナイフや保存容器など、チーズ専用のグッズやチーズと相性のよいドライフルーツなどの食材も販売。

2014.10.12(日)
文・撮影=そおだよおこ