ちょっと脱力した空気が漂うタイならではの小島

ザ・バイクタクシー!

 ほかにもサンセットビーチやカルマビーチなど、いくつかの小さなビーチがあり、それぞれ道で結ばれています。でも、ほとんどが未舗装の道路で、島内交通はもっぱらサイドカー付きのタクシーか、徒歩。

 メインストリートはパタヤビーチから内陸へ約250メートルほど続いています。みやげ物店やよろず屋さん、旅行代理店などはタイの他の島でもよくみかけますが、フルーツシェイクのスタンドやパンケーキのお店、本が並ぶカフェなどは今ドキ風!?(島らしい素朴さ満載ですが)

デザイン系のアイデリック・コンセプト・リゾート。サンライズビーチには、ほかにも竹材の素朴なバンガローながら、デザイン家具をアクセントに置いた宿も。

 ステイ先は、竹を編んだ壁の格安バンガローからデザインホテル(1軒のみですが)まで、バラエティ豊か。ほとんどがビーチに面したロケーションにあります。はじめてバンガローができたのは20年前だそうで、幸いにも開発は後発組。そのため、環境保護に留意しながら、スローペースに島が開かれつつあります。

プーバー&リゾート内のミニFM局から放送中。

 たとえば、つい数年前までテレビはもちろん、ラジオもなかったそう。そんな情報が閉ざされた島にミニFM局が誕生したのは2010年12月のこと。プーバー&リゾートの若きオーナーが私財を投じて開局し、全世帯にラジオを無料配布。本土のテレビ番組の音源を流しつつ、ゴミ問題や環境について島民と意見交換する番組や地元のニュースを放送しています。今や、このミニFM局は島の暮らしに欠かせないエンターテインメント&情報ソースに。

タイの南の果てにあるリペ島。美しいアンダマン海に囲まれています。

 リペ島は最果てのロケーションが幸いして、乱開発されることなく、島民が自分たちのペースで、じっくりと島の未来について取り組んでいるもよう。だから、どことなく今どきのテイストが感じ取れるのかもしれません(タイにとっては最果てでも、マレーシアから行けば、近いんですけど、ね)。

リペ島
●アクセス マレーシアのランカウイから定期船で約1時間。ロングテールボートに乗り換え約10分(国境を越えるため、日帰りでもパスポートは必携)
●おすすめステイ先 アイデリック・コンセプト・リゾート
URL http://www.idyllicresort.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.10.11(土)
文・撮影=古関千恵子