#017 Koh Kradan
クラダン島(タイ)

東側のビーチは遠浅の海が広がり、沖に島影を望みます。

絶対にハイヒールで訪れてはいけない島

 タイ本土のトラン沖、アンダマン海に浮かぶクラダン島。クラビからトランへ車で移動し、スピードボートまたはバンカーボートで渡る、チャオマイ国立公園に位置します。

 この島へは、間違ってもハイヒールで訪れてはなりません。ウェッジソールのサンダルでさえ、難しいかも……。島へ上陸するには、裸足でラダーから浅瀬へポチャン、そして白砂ビーチへ。スーツケースはスタッフがビーチまで肩にかつぎ、その後はリヤカーを利用して運びます。この島は、舗装道路もなければ、ガソリンスタンドもない。つまり、車もバイクもありません。アナログな人力で物資は運ばれますし、移動はすべて徒歩で。

 もちろんハンバーガーショップやコンビニなど、期待するのは最初から無理な話で、島にはリゾートホテルが1軒とバンガローが数軒あるのみ。島で歩く場所といえば、ほとんどは白砂ビーチ、もしくは島の裏手のビーチへとつながる短い山道。この島ではビーサンもしくは裸足で過ごすのが快適なのです。

桟橋がないので、浅瀬を渡って上陸します。荷物はスタッフが運んでくれます。

 到着時、ボートが浅瀬に近付いたところで、すでに海の美しさにこの島のポテンシャルの高さを感じるでしょう。海の色が深い濃紺から澄んだアイスブルーへ、パキッとコントラストをなし、光が反射する白砂ビーチが待っているのです。まるでモルディブのよう! ただモルディブと違うのは、沖にアクセントのように緑の島影が浮かんでいるところでしょうか。アンダマン海の秘宝を見つけたようで、テンションもアップします。

小高い山を抜け、アプローチする島の西側のビーチ。

 南北約2キロメートル、幅はわずか約600メートル、中央に小高い山が5座連なるクラダン島。東側はリゾートやバンガローのある白砂のロングビーチがのびる一方、山を超えた西側はアダンの木々が勢いよく生い茂る小さな入江がいくつか。こちらは、どことなく沖縄のケラマ諸島のような雰囲気です。ひとつの島で、楽園モルディブと、日本が世界に誇る沖縄のビーチが味わえるとは、なんて贅沢!

2014.08.02(土)
文・撮影=古関千恵子