中田洋子氏が69組のアーティストを招聘

今回の「BIWAKOビエンナーレ」に国内外から招聘されたアーティストは69組です。キュレーションを担当したのは、この芸術祭の発起人であり、総合ディレクターを務める中田洋子氏。開催前日には、まちや倶楽部に参加アーティストや関係者が集まり、オープニングセレモニーが行われました。

中田氏が初めて近江八幡市を訪れたのは2002年。当時の街並みにはまだ1960年代、’70年代の雰囲気が残っていたそう。そして、この街で初めて「BIWAKOビエンナーレ」が行われた時に、会場として使用された建物は5軒ほどでした。
「実際にビエンナーレを開催してみると、古い建物の中に展示された作品を観てなんだか面白いねと言っていただいたり、30年も使われていなかったこの家がこんなにキレイになるのか、じゃあ、次はうちの家をキレイにしてほしいと言われたり。そういう感じで会場に使わせていただける家屋が少しずつ増えていき、最初の5軒から今回は12軒まで増やすことができました」
人間の心の本質を表現するのがアーティスト

空き家がカフェに変わり、ブティックに変わり、ゲストハウスに変わり、町自体も変わっていくことを身をもって感じたと話す中田氏。
「今回のテーマは流転です。時代をはじめ、いろいろなものが変わっていく中で、人間の心の本質は全然変わっていないと思います。そして、それを表現する人がアーティストであり、アートの存在も決して変わることはないという思いで、この芸術祭を開催しています」

ちなみに10月18日(土)、19日(日)の18時からは、会場のひとつである「まちや倶楽部」でパフォーマンスコンサート「流転」(有料)が開催される予定です。出展アーティストは1部が南江祐生(東京バレエ団)、大崎晶(伴奏)、2部がタリナイナニカになります。
開催中は近江八幡市の魅力がさらにアップ!

近江八幡市は普段から見どころの多い街ですが、特に「BIWAKOビエンナーレ」の開催期間中は、歴史ある建物とアートの共演を楽しめたり、通常は入場が難しい建物の中に入ることができたり、さらに充実した滞在になること間違いなし。
京都からも電車で40分でアクセス可能。この秋、ぜひ訪れてみたい芸術祭が「国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ2025“流転~FLUX”」なのです。
国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ2025“流転~FLUX”
開催期間:2025年9月20日(土)~11月16日(日)
会場:滋賀県近江八幡市(旧市街地、沖島、長命寺)
料金:鑑賞パスポート(一般)3,500円、前売り3,000円ほか。
※沖島エリア、長命寺エリアはパスポート不要。無料で鑑賞できます。
https://energyfield.org/biwakobiennale/

2025.10.12(日)
文・写真=石川博也