美しい藍色のグラデーションが完成! 仕上がりが分からないドキドキ感も醍醐味

水で洗い流し広げてみると、スカーフは見事なグラデーションに染まっていました。洗いを終えるまで、仕上がりが分からないドキドキ感も藍染めの楽しみの一つです。そして、仕上げに登場するのはお酢。藍はアルカリ性のため、お酢に浸して酸と合わせることで色合いをコーティングできるのだそう。

藍染体験したものは、もちろん持ち帰ることができます。洗濯は押し洗い、日焼けしやすいので直射日光を避けて日かげで干す、など、持ち帰ってからのアフターケアについても教わりました。
完成したストールは「海と空が広がる風景のような仕上がりにしたい」と話していた山田さんのイメージの通り、堂々たる自然を思わせるグラデーションに。力強さと儚さが入り混じる仕上がりは、「額に入れて飾っても素敵」と取材チームのなかでも評判でした。ストールとして装いに取り入れる時も、巻き方によって生成りと藍の色味のバランスを調整できそうです。
「最初に選ぶ生地によっても仕上がりのニュアンスに違いが出ると聞いて、藍染めの発色はとても繊細なものなのだと思いました。実際に完成したストールを見ても、ムラによる表情が生まれていたり、グラデーションの境目にゆらぎがあったり。藍の表現の奥深さを知りました。
藍染めは小学生の時に体験したことがありましたが、当時はまだ藍の魅力に気づけていなかったように感じます。今回は自分で好きなアイテムや柄を選び、藍の歴史から各工程の意味までしっかり教わりながら体験することができました。大人になって伝統工芸に触れる体験は、特別なひと時になりますね。今日作ったストールも長く愛用したいです」
美馬市の歴史と当時の人々の暮らしをより近くに感じられる、藍染め体験。豊かな自然のすぐそばでじっくりと手作業をする時間は、かけがえのない旅の思い出になるかもしれません。
山田杏奈(やまだ・あんな)
2001年生まれ、埼玉県出身。2011年、『ちゃおガール2011☆』オーディションでグランプリを受賞。18年、映画『ミスミソウ』で初主演を務める。19年にヒロインを務めた映画『小さな恋のうた』では第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。映画『ゴールデンカムイ』と『正体』の2作品で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を、『正体』で優秀助演女優賞を受賞。8月15日に公開されたアニメ映画『ChaO』ヒロインの人魚姫・チャオ役を演じる。10月6日スタートテレビ東京系ドラマ「シナントロープ」出演。10月24日に公開の映画『恋に至る病』ではW主演を務める。山田杏奈オフィシャルファンコミュニティ『Stranger Brewery』会員限定グッズ2025が販売中
衣装クレジット
山田さん着用:コットンリネン超撥水リボンフーディー(BRICK)/28,600円、フラワープリントタックスカート(柄)/36,300円(9月下旬発売予定)
阿波天然藍染やまうち うだつ工房
所在地 徳島県美馬市脇町大字脇町 字突抜町45番地1
電話番号 0883-52-5168
ネストローブ

2025.09.06(土)
文=福永千裕
写真=杉山拓也
ヘアメイク= 菅長ふみ
スタイリング=中井彩乃