この記事の連載

もし地震が起きて、家具などに挟まれてしまったら……

 家が倒壊して脱出できなくなったり、家具の下敷きになって動けなくなったりした場合、自分の存在を周囲に知らせて助けを求めましょう。救命率を高めるためには、無理に脱出しようとせず、体力を温存しながら効果的に救助を求めることが大切です。次のようにして助けを求めましょう。

● 手の届くところにある硬い物で、壁や家具などをたたいて音を出す
● 笛を吹く
● 夜間にはライトを点灯・点滅させる

NG行動(1)

大きな声で叫び続ける

 自分を発見してもらおうと大声を出し続けると体力を消耗します。声ではなく、物を使って音を出しましょう。家具の金属部分をたたく音は遠くまで響き有効です。体力温存を第一に考え、断続的にSOSを送りましょう。

NG行動(2)

一刻も早く脱出を図る

 動けなくなった場合、まずどういう状況かを確認することが大切です。あわてて無理に動くと家具のバランスが崩れ、さらに悪い状況になることもあります。

助かる命を助けるために……

● SOS用の笛を家の各所に置いておく
● 就寝時には笛とライトを枕元に置いておく

【防災リュック篇】【元レスキュー隊員直伝】防災バッグの意外な「落とし穴」は? プロが語る、本当に使える防災バッグの作り方と“置くべき場所”

タイチョー

元大阪市消防局職員/防災アドバイザー。株式会社VITA代表取締役。元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営。災害現場のリアルな声とともに、災害大国ニッポンならではの「気づき」を日々発信している。著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』は台湾で翻訳版が刊行されるなど、その防災知識・スキルは世界で評価されている。YouTube登録者46万人(2025年6月現在)。
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大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典

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次の話を読む【元レスキュー隊員直伝】防災バッグの意外な「落とし穴」は? プロが語る、本当に使える防災バッグの作り方と“置くべき場所”

2025.09.01(月)
文=タイチョー