■日常から解き放たれる温泉リゾートホテル
ヴォランド・ウーライは、館内のあちこちで「生活の儀式」をモチーフにしたアートパフォーマンスが行われます。ロビーでは地元の鍛冶作家のゴングを鳴らす舞踊でお出迎え。
冒頭写真は、午後の茶時の創作芸術パフォーマンス。エメラルドグリーンの渓流をバックに、温泉水のプールに浮かべた筏の上で静寂の対話の儀式。その後に太鼓と対岸の鍛冶屋が奏でる銅鑼(どら)の音が響きあう生活の音のパフォーマンスが続きます。
ホテルはルレ・エ・シャトー加盟。23室の客室は、天蓋のベッドを備えたロマンティックな温泉付きスイートタイプです。どの部屋も1名利用も可能とあって、女性のおひとり様も多いとか。山と渓谷、エメラルドグリーンの水面を間近に感じながら過ごせます。
アメニティやバスローブ、スリッパなど全て揃っているし、台湾阿里山紅茶やコーヒー、ドライフルーツやおやつ、台湾ビールや健康ドリンクなど全てインクルーシブ、優雅なリゾート時間を満喫できます。
大浴場は男女別に裸で入る日本式。温度や深さが異なる温泉に入れる内湯と洗い場、露天風呂は渓谷の風を感じながらゆったり癒されます。露天風呂のすぐ横にもウォーターサーバーが置かれていてうれしい。
烏来温泉は弱アルカリ性のナトリウム-炭酸水素塩泉、つるつるとなめらかな感触で、肌しっとりすべすべです。
■中医学の五行理論のスパで心身を整える
ホテル内の「Dasha Spa」へ。中国医学の五行理論の考え方で心身の状態を測り、スパルーム内の温泉に入浴後、体の状態に合わせたアロマオイルを用いて「精神」と「身体」の両方を整えていきます。
ツボ指圧とマッサージを組み合わせたようなトリートメントで、深くまでリラックスすることができました。
■男女別日本式の大浴場と台湾式朝食
2つあるレストランではコースメニューもありますが、今夜は軽めにアラカルトで。原住民族の風土がテーマの「シリクSiliq」レストランの名物メニュー「馬告牛肉麺」は、自然な旨みを活かした優しい味わい。付け合わせの野菜や馬告もよいアクセントになっています。
食後に部屋へ戻ると、キャンドルが灯り癒しの雰囲気に変わっていました。ベッドにはマスコットベアとメッセージカードが。4種類の枕が選べることが3か国語で書いてありました。
ぐっすり眠った翌朝の朝食は緑の渓流を眺める優雅なレストランで。ここはスローフードがテーマです。キヌア入りのお粥で内臓を温めて、フレッシュな野菜サラダもたっぷり。台湾式のおかずも素材を活かした優しい味わいでほっとします。
2024.12.12(木)
文・写真=石井宏子