今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

寒天パウダー

 寒天はテングサやオゴノリから作られる海藻の加工食品です。マクロビ的には海藻類は全般に血液をキレイにしてくれる食材と言われています。

 ゼリーやムースを作るときにはゼラチン(豚由来)を使うことが一般的ですが、オールベジの私のスイーツ作りでは寒天パウダーと葛粉を合わせて使用します。そうすることでゼラチンに近い滑らかな食感が得られます。

 寒天は食物繊維を含むほか、コレステロールの蓄積を防ぐ働きもあることから、普段から食生活に取り入れることで生活習慣病の予防になります。無味無臭なのでスイーツ以外にもお味噌汁に加えたり、ご飯を炊くときに混ぜ込むと艶のあるふっくらとした炊きあがりとなり美味。普段から積極的に食べたい食材の一つです。

リンゴジュース

 甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものを頂くと消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。

 マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と硬い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう……陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えて頂くようにすると良いでしょう。

豆乳

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 豊富に含まれる大豆イソフラボンの効果で女性ホルモンの働きを助けてくれる豆乳は、主に乳製品の代わりとして使います。甘味や添加物の入っていない無調製豆乳を選びましょう。遺伝子組み換え製品ではない、有機栽培の国産大豆を使用したものが望ましいですが、あまりこだわらずに気軽に使ってみましょう。私が愛用しているのは大豆固形成分8%程度のもの。それ以上のものだと大豆の味が強く出てしまい、お料理によっては不向きの場合もあります。コーヒーや紅茶にもミルクの代わりに使えます。

葛粉

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 葛は葛根湯の原料ともなる、食べるお薬。一年を通して毎日でも食べて頂きたい食材です。マクロビ的には体を温める効果のある葛を、お料理やお菓子作りに多用します。

 本葛は100グラム700円程度しますが、体を温めることで免疫力を高め、健康にもよく、また新陳代謝が高まることで美肌作りをサポートしてくれる、美容にもいいサプリメントです。1キロ 5,000円弱でお得に購入できるサイト(外部サイト)もあり。食欲のない時には、消化のいい葛をお湯で練り上げた葛練や葛湯で体調を整えます。その際の味付けは、体を冷やす白砂糖は使わずに、お味噌や醤油、塩などを。

 ねぎや生姜を入れると美味しいスープにもなりますよ。

甜菜糖

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 お料理にコクを出したり、おいしそうな照りをつけたり、またスイーツの甘味料としてなくてはならないお砂糖ですが、原料となるサトウキビは南国産の植物であり、温帯地域に暮らす私たちには体を冷やしすぎてしまう傾向があります。そのため、マクロビ的には寒い地方で育つ甜菜(ビート)の根から作られる甜菜糖を使用します。腸内のビフィズス菌を増やしてくれる天然のオリゴ糖がたっぷりで、まろやかな風味のお砂糖です。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2014.04.25(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平