[特別連載] 2014年 最旬ハワイグルメ vol.01
 本連載を執筆する、ハワイ在住のお洒落コーディネーター工藤まやさんに「この夏行くべきレストランベスト10」を選んでもらいました。今回はホノルルにあるジェラート屋「ヴィア ジェラート」。ハワイ生まれの若きオーナー、メリッサが作るジェラートを食べると、誰もが幸せな気分になるようで……。

ハワイの素晴らしさを最大限に生かしたアイスクリーム

写真左はブラックセサミ・ココナッツ、右がグァバ・シャーベット(各3ドル)。

 ハワイ生まれハワイ育ちのメリッサは外の世界にあこがれ、小さな島から都会へと飛び立ちました。ニューヨークに住みながらあらゆる仕事をし、世界を旅して、ロコガールから大人の女性になっていくうちに、生まれ育った土地の美しさ、素晴らしさを思い、「小さくてもいいから自分らしさいっぱいのお店を作ってみたい」という気持ちがつのり、またこの島に戻ってきました。

 メリッサがハワイへ戻っていちばん最初に思ったこと。それは「こんなに雄大な自然に囲まれているのに、それを最大限に生かした美味しいアイスクリームがないじゃない!」ということでした。

その日、その時間によって店頭に並ぶアイスクリームは様々。

 ニューヨークやイタリアの各地で食べたアイスクリームの美味しさを、ハワイ産のもので作ってみようとはじめた小さなワゴンは、ファーマーズマーケットからスタート。地元の生産者たちとの交流も深まり、ハワイのフルーツ、ナッツたちがメリッサのオリジナルレシピで新たな息吹をもたらされました。

オーナーのメリッサ。

 咲き誇る花にみつばちたちが集まってくるように、ハワイの人たちはメリッサの作るアイスクリームに引き寄せられ、口コミで美味しさは伝わっていく。2年半の間にカイルア・ファーマーズマーケット、ニール・ブレイズデル・コンサートホールの駐車場で行われているホノルル・ファーマーズマーケットなどに出店。

 そして、2014年2月に待望のカイムキ店をオープンしました。毎日何度もキッチンで手作りされるアイスクリームの種類は常時12種類ほど。素材は出来る限りハワイ産にこだわるので、その時々でフレーバーが違ってきます。メインの素材となる牛乳と卵は常にハワイのもの。そして、夏にはマンゴー、秋にはストロベリーと、ハワイにいながら四季を感じられるメニュー展開に地元愛を感じます。

 自分の庭にあるリリコイの実を収穫してリリコイシャーベットを作ったり、朝ハワイ島から飛行機に乗って運んできたマカダミアナッツを使ってアイスクリームを作る。「それだけで幸せな気分になれるの」と、メリッサは笑顔で語ります。

カイムキのグルメストリート12thアベニュー沿い、有名ベトナム料理店「ハレベトナム」の隣です。

 イタリアの街角で見た、年齢を問わずにたくさんの人がジェラートを片手にしている姿。「小さな幸せを持っているな~と感じた、あの瞬間をハワイで再現できたら」とはじめたことから、お店の名前はあえてイタリア語で「Via Gelato」と名付けています。

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2014.07.04(金)
文・撮影=工藤まや