アメリカ人にとってお土産とは、旅先での思い出を自分のために持ち帰り、家で余韻に浸るためのもの。日本人ほどお土産に執着はないのですが、選んだお土産に込める思いは深いのです。
そうして生まれたのが、各国で売られているハードロックバンドのTシャツだったり、スターバックスのご当地マグだったり……。
ハワイに暮らすようになって20年を超えると、その気持ちも少しわかるようになり、隣島へ行くときは自分へのお土産を探しています。ささやかでも、そのときを思い出せるような物や味を。たとえ1時間もかからなくても、私にとっては隣島へ行くことは旅だから。
最近は、ハワイ旅行自体が少し遠い存在になっているかもしれません。ましてや、オアフ島以外の島を訪れる人は、さらに少なくなっているのではないでしょうか。でも、もし訪れることがあれば、その島の自慢のものを探してみてください。
オヒアレフアの花のお守りが人気! 日本国外最古の神社
◆Hilo Daijingu

ハワイ島には、海外に現存する神社として最も古いとされる、由緒ある神社があります。創建は明治31(1898)年。サトウキビプランテーションで働くために入植した日系移民たちの尽力によって建てられたもので、天照皇大神と豊受大御神が祀られています。
さらにこの神社は、火の神ペレが棲むといわれるキラウエア火山を擁するハワイ火山国立公園のすぐそばにあることから、ペレも共に祀られているというハイブリッドな神社なのです。
鳥居をくぐると手水舎があるので身を清めてから、本殿でお参りをします。神社を訪れるのが初めてという人にもわかりやすいよう、参拝の作法も書かれています。


神様への願いごとを手紙にしたためて奉納できるなど、日本ではあまり体験できないような仕組みがあるのがおもしろい。
社殿と対の狛犬のうち1体は1960年の津波で流されてしまいましたが、もう1体は現在も残っています。今も本殿の後ろにいますから、見てみてくださいね。

自然と共に生きることの大切さを感じられるこの神社には、「土地を愛し、敬うことこそ最も大切である」というハワイの精神が息づいています。そんなことを思いながら、社務所へ。

社務所には、溶岩台地に最初に芽吹くとされるオヒアレフアの花をデザインしたお守りがあります。このお守りをお土産に欲しくて、この神社を訪れる人も多いのだとか。新たなスタートを後押ししてくれそうな、大切に持って帰りたくなるお守りです。


Hilo Daijingu
2025.08.05(火)
文・撮影=工藤まや