この記事の連載
- 木村柾哉インタビュー【前篇】
- 木村柾哉インタビュー【後篇】
カットがかかるまで、直己という役に入り込んだ
――今回の映画を通して、あらためて芝居の面白さに気づいた木村さん。その面白さの極意は、「自分じゃない自分になれること」――。普段の生活にはないワクワクとドキドキを体験できたこと以外に、役に没入できた瞬間があったことも驚きだったという。
元々、お芝居に挑戦してみたい気持ちはありましたし、アジアには歌手でダンサーで俳優、みたいにマルチに活躍するアーティストの方は大勢いるので、今回の作品に入る前も、歌やダンスのスキルがお芝居に活かせることもあるのかな? と考えたりしたんですが、実際には、そこは繋がっているようで繋がっていなかったです(苦笑)。歌にはメロディやリズムがあって、ダンスには振り付けがある。でも、お芝居ってセリフはあっても、そのリズムもメロディも強弱も決められていなくて、全て自分の解釈次第なので、正解がわからないんです。
プレッシャーもありましたし、難しかったしずっと必死でしたけど、普段の自分じゃない自分が顔を出す瞬間があって、だからこそ、人にワクワクやドキドキを届けられるのかなと思いました。
今回で言うと、雨の中で4人が自分たちの感情をぶつけ合うシーンがあって。普段なら、そこまで雨に打たれてびしょ濡れになってまで、自分の内面をさらけ出すことってないと思うんです。でも、実際に演じてみたら、雨に打たれることで、生まれてくる感情があるというか……。カットがかかるまで、直己という役に入り込めていたみたいで、演じた記憶がないんです。監督の「カット!」の声を聞いて、「あれ???」って我に返りました(笑)。人生で初めての体験でした。
木村柾哉(きむら・まさや)
1997年10月10日生まれ。愛知県出身。日本最大級のサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」で、“国民プロデューサー”によって選ばれた11人組グローバルボーイズグループ「INI」のリーダー。TBSドラマ「君の花になる」(2022年)で俳優デビュー。本作が映画初出演・初W主演となる。身長175cm、血液型B型。
映画『あたしの!』
思ったことは即行動に移す、真っ直ぐで素直すぎるあこ子(渡邉美穂)は、新学期の初登校の日、留年して同学年になった学校イチの人気者・直己(木村柾哉/INI)に一目惚れ。ストレートに告白するが、「彼女作る気ないから」とフラれてしまう。直己の親友の成田(山中柔太朗)から、直己が彼女を作らない理由を聞き、好きでい続けようと決意するあこ子。そこに現れた恋のライバルは、小3のときからの親友・充希(齊藤なぎさ)だった。『ヒロイン失格』『センセイ君主』幸田もも子の大ヒットコミックの実写映画化。主題歌はINIの「Break of Dawn」。11月8日(金)全国ロードショー。
https://gaga.ne.jp/atashino/
衣装クレジット
ジャケット 95,700円(税込)
シャツ 49,500円(税込) /すべてETHOSENS(ETHOSENS of white sauce 03-6809-0470)
2024.11.03(日)
文=菊地陽子
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=Sayaka(MASTER LIGHTS)
スタイリスト=TOGO MANAMI