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退団後、芸事の道に進むという選択に迷いはなかった

――宝塚以外の舞台は初めてになりますが、楽しみにされていることは?

 宝塚では、毎回同じ顔馴染みのメンバーの中でお芝居を作り上げていくのが日常でしたが、ここからは、初めましての方々とイチから関係性を築いて、お芝居をしていくことになります。じつは結構人見知りなので、楽しみよりも緊張のほうが大きいかもしれません。でも、共演者には宝塚のOGでいらっしゃる霧矢大夢さんがいらっしゃいますから、霧矢さんを見て勉強できたらと思いますし、体当たりで向かっていきたいです。

――宝塚を退団した後、俳優のお仕事を続けようと思われたのは?

 在団中は、日々与えていただく課題に向かっていくことや、目の前の公演を精一杯務めることに必死で、先々のことは考えていなかったです。でも退団が具体的に見えてきてから、宝塚を卒業したら自分に一体何ができるんだろうと考えはじめて、わりと迷いなく芸事の道に進むという選択肢が浮かびました。

 幼いときから宝塚が好きで憧れて、入るために稽古をして、入団してからもやっぱりお稽古漬けの日々。そのなかで、少しずつ上達していき、それまで見えていなかった景色が目の前に広がってゆく。その刺激や新しく生まれてくる好奇心は、きっと宝塚に限らず芸事すべてに共通しているものだと思うので、そこに対しての迷いみたいなものはなかったです。ただ、まだまだ未熟な部分も多いですし、未知の新しい世界への不安はあります。いろんな方のお知恵をいただきながら、いろんなことに挑戦して進んでいきたいなと思っています。

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星風まどか(ほしかぜ・まどか)

1996年11月11日生まれ、東京都出身。’14年に宝塚歌劇団に入団し、宙組に配属される。翌年の『王家に捧ぐ歌』で新人公演初ヒロインに抜擢され、同年の『相続人の肖像』でバウホール公演のヒロインを務めるなど、早くから注目される。’17年に宙組トップ娘役に就任。その後、専科を経て、’21年に花組に組替え。花組トップ娘役として高い人気を誇り、今年5月『アルカンシェル』で退団。来年にはミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』への出演も決まっている。

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』

作曲:アラン・メンケン 
作詞:ジャック・フェルドマン 
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン 
演出・日本語訳・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:岩﨑大昇、星風まどか、加藤清史郎、横山賀三、霧矢大夢、石川禅ほか
2024年10月9日(水)~29日(火) 東京・日生劇場
2024年11月3日(日・祝)・4日(月・休) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2024年11月9日(土)~11日(月) 福岡サンパレス ホテル&ホール
https://www.tohostage.com/newsies/

次の話を読む星風まどかが、柚香光から教わった“センスの磨き方”「髪を短くしてみたかった」退団後に出会う新しい自分

2024.10.06(日)
文=望月リサ
写真=佐藤 亘