CREAがはじめてひとり温泉を特集して7年。当時は「女性がひとりで温泉なんて!」と驚きを持って受け止められたこのテーマも、いつしか珍しくない光景となりました。
好評発売中の「CREA」2024年秋号では、コロナ禍を経て、進化する“温泉地”を舞台に、めぐる旅を大特集しています。
CREA 2024年秋号
『楽しいひとり温泉。』
定価980円
温泉では、まったり過ごすのもやっぱりいいもの。手紙を書いたり、湯めぐりに大忙しになったり。こもり方もさまざま、進化しています。
深い湯にとっぷり浸かる、愉悦の時間
[岩手/花巻温泉郷]鉛温泉 藤三旅館
絶景、美食、旅の目的はいろいろあれど、頭を空っぽにして、ただひたすら湯に耽るためだけに訪れたい宿がある。
開湯600年以上という鉛温泉が湧き出ずるのは、木々に埋もれた渓谷の谷間にぽつんと建つ一軒宿。あたりには店どころか民家も見当たらず、散歩道もない。
退屈する? なんて心配はご無用、だってここには極上の湯がそろっているから。
2024.09.11(水)
文=嶺月香里
写真=嶋崎征弘