CREAがはじめてひとり温泉を特集して7年。8年目となる今年はコロナ禍を経て、進化する“温泉地”を舞台に、めぐる旅を大特集します。いまこそ、めぐるか。それでも、こもるか。さあこの秋こそ、楽しいひとり温泉へ!
そして、特別版のカバーには、BE:FIRSTのMANATOさんとLEOさんを起用し、「言葉をめぐる旅」をテーマに、通常版と特別版あわせて22ページにわたってインタビューを展開。通常版では「Story A」、特別版では「Story B」と、それぞれ異なるインタビューをお楽しみいただけます。どちらもお見逃しなく!
CREA 2024年秋号
『楽しいひとり温泉。』
定価980円
CREA WEBでは、「CREA」2024年秋号のコンテンツの一部を大公開します!
なぜ BE:FIRSTから生まれる「言葉」は多くの人の心を揺さぶるのか――。このStory Aでは、MANATOとLEOが自身と「言葉」の出会いや、大切にしていることを語る。
そして、Story B(同日発売の特別版掲載)ではいくつかの「言葉」をキーワードに、新たな道を切り拓き続けるBE:FIRSTの現在地を明らかにする。
【LEOと“言葉”】燃え殻さんの本は自分のすぐ隣で起こっていることのよう
大人になることを意識し始めた19歳のとき、「こんな大人にはなりたくない」と思う出来事があった。苦い気分を引きずりながらたまたま入った本屋で、一冊の本のタイトルが目に飛び込んできた。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』。著書名には「燃え殻」とあった。思わず手に取り、ページを捲っていくうちに一気に物語の中に引き込まれていった。小説を最後まで読めたのは生まれて初めてのことだった。
「小さいころは漫画ばかり読んでいて、10代後半に何度かベストセラー小説に手を伸ばしたんですが、だいたい10ページぐらい読んだところで、『無理だ』と思ってやめてしまっていて……。でも、燃え殻さんの本は最初から自分のすぐ隣で起こっていることのように感じられたし、登場人物たちの感情が自分の感情とシンクロする瞬間が何度もありました。物語の中にいろんな音楽が出てくるので、それが想起させてくれる感情もあったと思います」
以来、LEOさんは燃え殻さんのファンになり、それまで苦手意識のあった小説やエッセイにも手を伸ばすようになった。BE:FIRSTとしてデビュー後、ファンであることを公言するようになってからは、燃え殻さんのラジオにゲスト出演する機会にも恵まれた。23年に刊行された『ブルーハワイ』には、燃え殻さんとLEOさんとのサシ飲みエピソードも綴られている。
2024.09.06(金)
文=菊地陽子
写真=末長真
スタイリング=安本侑史
ヘア=大城祐樹
メイク=千葉彩子