この記事の連載

今、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『君がまた描きだす線』加藤羽入/祥伝社

 とあるマンガ編集プロダクションを舞台に「自分が自分であるために」闘う女性たちの夢とリアルを描いたオムニバスストーリー。

「理不尽に折られ、損なわれ、傷つけられてきた人たちがマンガを通して繋がり、連帯し、生き延びようともがく姿が力強くてたまらなかった。セリフ一つひとつが響いて思い出しただけで泣いてしまいそう。でも、生きることも世界も人間も諦めたくないから、私も頑張りたいって思えました」

食欲の秋に読みたくなる「グルメマンガ」は?

◆『オリオリスープ』綿貫芳子/講談社

 デザイン事務所で働く原田織ヱは装丁デザイナー。食べることが大好きな彼女は、なかでも特にスープが大好きで、自宅で、レストランで、職場の給湯室で季節の「スープ」をおいしく食べる。思わず食べたくなるスープの物語。

「出てくる四季折々の食材を使ったスープのなんとおいしそうなことか! たくさんレシピを真似して作ってみたし、立ち止まりたくなるときだって、とりあえずごはん食べよう、食べられる人は強い! と元気が出てくる。読むとほっこりと幸せになる作品です」

2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?

◆『老犬とつづ井』つづ井/文藝春秋

 愛犬との暮らしの記憶と介護生活、お別れの日までを描くコミックエッセイ。

「犬への愛がそのまま具現化したような作品。つづ井さんの瑞々しい感性によって掬い上げられた愛犬Aと過ごした日々の温かさと愛おしさ、そして少しの切なさ。犬と暮らす日々のあるあるだらけで愛犬家としてはそうそう、と頷きながら笑って癒された。ああ、犬と暮らす毎日のかけがえのなさといったら。読んだあとは思わず犬のいる場所に走っていって、迷惑がられようとむんずと頬ずりして抱きしめてしまう」

フリーアナウンサー・俳優
宇垣美里(うがき・みさと)さん

2014年にTBSに入社。19年に退社し、現在はドラマや舞台出演、執筆業など多方面で活躍。「週刊文春」で「宇垣総裁のマンガ党宣言!」を連載中。

発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

» 今年の大賞は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
» ベスト10発表!(特設サイト)
» 選考委員31名の愛読マンガまとめ

次の話を読む「マンガ食堂」管理人・梅本ゆうこさんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊 8月31日をループする青春ラブコメ

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