「まずは相手のことを知り、相手のことを考えます」

 友達や先輩に誘われれば極力出向こうとする付き合い上手でもある。誰とでも仲良くできるコツを尋ねると、「それは僕も知りたいです。誰とでも仲良くはなれないですよ」とボソリ。ただ、相手のことはものすごく考えると続けた。

「例えば初めて共演する相手だったら、いまはネットでいくらでも情報を集められますから、その方の過去のインタビューを読んだり、好きなものを調べたり、昔はよくしていました」

 それも仕事の一環と捉えていた。役柄にもよるが、相手の人となりを知っているほうがコミュニケーションも円滑になり、良い作品をつくる助けになると信じている。

 話を聞いていると、高橋さんは常に相手が求めることを察して、それに応えることに尽力しているよう。その気質はもしかして、三人兄弟の末っ子だったことが関係しているのだろうか。

「そうかもしれません。兄は僕とだいぶ歳が離れているので、(兄たちに)怒られないように、というのを小学生くらいから考えていた気がします。男三兄弟なので、家の中でもボールが飛んできたり、プラスチックの硬いおもちゃが飛んできたりして、物騒だったんですよ(笑)」

 兄と同じバレーボールチームに入り、休みの日も扱かれ、傷だらけになりながら練習に励む日々。上下関係の厳しさは、幼少期に教え込まれた。

「(兄たちのことは)すごく怖かったですが、ずっと尊敬していました。長男も次男もやりたい仕事を見つけて飛び込んだので、僕も好きなことを見つけて、早く大人になりたいと思っていましたね。いまでは兄が僕の家に来てゲームを一緒にするぐらい仲良し。友達みたいな関係になっています」

2024.08.08(木)
文=黒瀬朋子
写真=松岡一哲
スタイリング=Shinya Tokita
ヘア&メイク=池上 豪

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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人生に大切なことを猫は全部知っています。過去や未来ではなく、いまを生きること。必要なときに食べ、好きなときに眠ること。人に気を使いすぎないこと――。そう、猫は最高! それにしても、私たちはなぜこんなにも、この不思議な生き物に魅了されてしまうのでしょうか。1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。