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頭上や道の脇にも目を向けてみる

 トレイルを歩くときは前や足元だけに気を取られるともったいない。ちょこちょこよそ見をしてみることで、世界は無限に広がります。

 たとえば道の隅に生えている草だったり、落ちている花びらや実だったり、石だったり。よく観察してみると、その山の植生や地質が見えてくる。気になる花や植物は写真におさめて、下山後に調べて答え合わせをするのも山の楽しみ方のひとつです。

 目線の先が、必ずしも美しい草花である必要はありません。金子さんは不思議な造形をした木の根や倒木、誰かの忘れ物など山のなかで“違和感”を見つけたら、必ずスマホで撮影するのだそう。

 そのとき、そこにいなければ遭遇し得ない山の一期一会。いつもと視点を変えるだけで、きっと自分らしい嗜み方が見つかるはずです。

健やかに楽しむ山コスメも忘れずに

 標高が上がれば上がるほど紫外線は強くなるため、山での日焼け対策は欠かせません。さらに紫外線は服の上からでも肌にダメージを与えるため、長袖を着ていても油断は禁物。日焼け止めはこまめに塗るように心がけよう。

 また季節や当日の気候にもよりますが、意外と山で見落としがちなのが乾燥ケア。とくに風が強かったり日差しが強かったりすると、肌や唇、髪の毛までパサパサになることも。日焼け対策とともに保湿ケアも必須です。

2024.06.15(土)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也