もともと自分の地声があまり好きじゃない
――そうやって投稿していたら、ユニバーサルミュージックから声をかけられたんですね。
imase そうです。音楽を始めたばかりの頃にX(旧Twitter)のアカウントにDMをいただきました。「怪しいな」と思ったんですけど(笑)、実際に話をしてみたら寄り添ってくださる方ばかりだったので、「じゃあ一緒にやっていこう」と思えました。
そこから、「テレビ番組のオーディションに参加してみないか」と声をかけてもらってテレビ番組『〜夢のオーディションバラエティー〜Dreamer Z』の『TikTok弾き語りシンガー ドラマ主題歌オーディション』コーナーへ出演。残念ながら3次審査で落ちましたけど、その後メジャーデビューして今に至ります。
そのオーディション番組をきっかけに、高い音域のファルセットで歌い切る曲を作るようになりました。僕はもともと自分の地声があまり好きじゃないんですけど、ファルセットだったら許せると言うか、人に聞いてもらっても大丈夫だなという感覚があるんです。それで「弾き語りをするなら、裏声を一つの武器にしよう」と決めて出演しました。
ファルセットで歌い切る曲はJ-POPにあまりないので、自分が音楽を学んでこなかったからこそできた曲かなと思っています。
――今日までの音楽人生で、最も心に残ってる場面を教えてください。
imase 初めてライブをした日ですね。2023年3月に渋谷のライブハウス「WWW」でワンマンライブをしたんですけど、500人以上のお客さんが来てくれて感動しました。
――自分が「売れたな」と感じた瞬間はありますか?
imase 初めて街で「imaseさんですか?」と声をかけられた時、売れたなとかではないですが、少しだけ嬉しかったです(笑)。ポカリスエットのCMで『Pale Rain』が流れた後だったと思います。
「NIGHT DANCER」の発表以降は、街中で声をかけられる頻度がぐんと上がり驚きました。K-POPのアーティストの方々が曲に合わせて「踊ってみた」動画をアップしてくださって、たくさんの人に自分の曲を知ってもらうきっかけになったと思います。
2024.05.15(水)
文=ゆきどっぐ
写真=平松市聖