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サッカー選手を目指してJリーグの下部組織に

――imaseさんの幼い頃の将来の夢は何でしたか?

imase サッカー選手です。小学5年生から高校までサッカーをしていて、中学3年生まではJリーグ下部組織のクラブに所属していたくらい本気で目指していたんです。リオネル・メッシさんに憧れていました。

 ただ、当時は身長が150センチくらいと低く、体格差に挫折したんです。そこから家業を継ごうと決めて、地元の高校へ進学しました。

――高校卒業後はご実家の会社へ就職したんですか?

imase そうです。家業のお手伝いで、見積書を作ったりしていました(笑)。

 音楽を始めたのは20歳から。高校時代の友達がアコースティックギターを買ったのに憧れて、自分も買ったんです。YouTubeなどの動画を見ながら練習して、だいたい3カ月くらいで少し弾き語りができるようになりました。

――周りに音楽を嗜んでいた方はいたんですか?

imase 父は少しギターが弾けますね。あと、姉が昔ピアノの先生をしていました。

 実家の事務所にはピアノがあって、幼い頃は遊びで弾いたりしていましたけど、きちんと習ったことはなかったんです。今は、制作に使うくらいにはピアノが弾けるようになりましたけど、「ちゃんと習っておけばよかったな~」と思います。そうしたら、もっと違う曲を作曲していたでしょうね。

1万円くらいのマイクと、3,500円くらいのMIDIキーボードを……

――作曲活動に興味を持ったのは、いつからですか?

imase ギターを始めてから音楽に関する動画を観るようになって、その中に30秒間のショート尺でオリジナル曲を投稿している方がいたんですよね。それを見ていたら自分も作りたくなったんです。

 僕は本当に音楽に関しての知識がなくて、作曲のために必要な機材とか、サビやAメロ、Bメロの構成はインターネットで色々調べました。それからいろんな人の曲を聞いて、「こういう構成がいいんだな」と研究しましたね。

 当時、1万円くらいのマイクと、3,500円くらいのMIDIキーボード、それに20万円くらいのMacのパソコンを買いました。高価だなと思ったけど、仕事にもパソコンは必要だし、「ついでに曲が作れるならいいか」と奮発しました。

――SNSへオリジナル曲を投稿することは、作曲を始めてからすぐに思いついたんですか。

imase 作曲した曲を友達に聞いてもらったら、「SNSにアップしたほうがいいよ」と勧められたんです。それから最初にYouTubeへ楽曲だけを投稿して、すぐにTikTokで歌った曲をアップし始めました。

 「どんな反応があるのかな」って投稿を躊躇する気持ちもあったけど、顔出しもしないし、人物は特定されないだろうからいいかと割り切りましたね。当時は裏声と地声を混ぜた歌をアップしていました。

2024.05.15(水)
文=ゆきどっぐ
写真=平松市聖